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俺様勇者と武闘家日記
第1部
カザーブ〜ノアニール
エルフの里
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「なんなんだ、この村は……?」
 カザーブを出たあと、私たちは予定通りの日数で旅路を経て、無事ノアニールにたどり着いた。
 だが、村を見回してまず目に入ったのは、村人が全員眠ったままの状態であちこちに立っていたり、横たわっていたりしている姿だった。しかもただ寝ているだけではない。立ったままイビキをかいている人もいれば、食事の最中に鼻ちょうちんを出してる人だっている。
 とにかく起きている人は誰一人おらず、それはあまりにも不自然な光景だった。
「とりあえず、手分けして村の中を回ってみようぜ」
 真相を探るため、ナギの提案に賛成した私たちは、休む間もなく皆で村中を歩き回ることにした。
それから約数十分後、村から少し離れた家の近くで、ただ一人眠っていない老人と出会った。
 その老人は私たちに気づくと、仰天したような表情をしたあと、ものすごい早さでこちらにやってきたではないか。
「おお、まさか、起きている人間に会えるとは思っても見なかった。なんという奇跡なんじゃ……」
 そう言うと老人は、ユウリの目の前で泣き崩れた。栄養失調なのかガリガリに痩せ細っており、顔も痩せこけ今にも倒れそうだ。
 ユウリはその場にしゃがむと、なおも震える老人の体を支えながら尋ねた。
「一体この村に何があった?   詳しい話を聞かせてもらえるか」
 老人は顔をあげると、ユウリの顔をまじまじと見た。
「あなたは……。初めてお会いするが、なぜか懐かしい感じがする……」
「? なんの話だ?」
ユウリが訝しげな顔をすると、老人ははっと我に返った様子で頭を振った。
「いや……気のせいじゃな。すまない、旅の人。わしはマディン。この村に住んでおる」
 マディンさんの話によると、村がこうなっているのはエルフの女王を怒らせてしまったからだと言う。
「今から約十二年前、わしの息子はエルフの女王の娘さんと恋に落ちてしまったんじゃ」
 世界には様々な種族がいる。とりわけ仲が悪いのが、私たち人間と、エルフの二種族なんだそうだ。
 無知で傲慢な人間と、寿命が長くプライドの高いエルフが恋に落ちるなど、前代未聞。
 エルフの女王は人間が自分の娘を誑かしたと思いこんだ。そして自分の娘にも、それは本当の恋ではない、あなたは騙されていると説得し続けていたらしい。
 けれど、女王の娘……アンさんは、母や周りのエルフたちの反対を押し切って、マディンさんの息子と駆け落ちをしてしまったのだ。
 しかもそれだけならまだしも、アンさんはエルフ族の宝である、『夢見るルビー』という宝石も持ち出してしまったらしい。
 それを知ったエルフの女王は、悪いのはすべて人間
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