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雲に隠れた月は朧げに聖なる光を放つ
第十三話 ライセン大迷宮
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響き渡った瞬間、轟音と共に四方の壁から途轍もない勢いで水が流れ込んできた。正面ではなく斜め方向へ鉄砲水の様に吹き出す大量の水は、瞬く間に部屋の中を激流で満たす。同時に、部屋の中央にある魔法陣を中心にアリジゴクのように床が沈み、中央にぽっかりと穴が空いた。激流はその穴に向かって一気に流れ込む。

「トイレかよ‥‥‥とりあえず重力魔法使って天井に張り付こ」

「それじゃあねぇ〜、迷宮攻略頑張りなよぉ〜」

「てめ、この野郎!俺たちゃ汚物か! いつか絶対破壊してやるからなぁ!」

「ケホッ……許さない」

「殺ってやるですぅ! ふがっ」

「Oh my got‥‥‥」

「拓人‥‥英語は後にグボッ」

「ちょ、蜂起さガバア」

「‥‥‥天井に張り付くのって面白いね」

「とりあえず行くかぁ‥‥‥ウザかったから手榴弾投げよっかな」

「‥‥‥ハジメが投げてるから辞めてあげて」

「はいよ」

そして穴の中に飛び込む。その直後、後ろから「ひにゃああー!!」という女の悲鳴が聴こえたが‥‥‥。

「とりあえず激流下りだな。あいつら大丈夫かな」

幾分か水が引いてるのか、普通に呼吸しながら激流下りをする。たまにカーブがあるのでそこだけ気をつけながら自由気ままにズザーッと‥‥‥。

「あ、出口だ」

それっぽい穴?みたいなのを見つけた。そのまま飛び出す。飛び出た先は泉になっており、俺と聖は噴水のように持ち上げられた。

「あん?シアが人工呼吸されてるのか?」

俺は上空から拓人がシアに人工呼吸を施しているのを確認した。どうやらあの激流でシアは意識を失ってしまったらしい。拓人が人工呼吸してる理由は‥‥‥考えないでおこう。

スタッ

「おい、シアどうしたんだよ」

「シアちゃん!?」

着陸してシアの元へ駆け寄る。見た感じだと、顔面蒼白で白目をむいている。また、よほど嫌なものでも見たのか意識を失いながらも微妙に表情が引き攣っている。

と、その時。シアが水を吐き出した。水が気管を塞がないように顔を横に向けてやる拓人。体勢的には完全に覆いかぶさっている状態だ。

「ケホッケホッ……拓人さん?」

「あ、深い意味とかないからな?蜂起はミーナいるし、ハジメには白崎がいるし‥‥‥なんとなくだ」

「‥‥‥‥‥‥‥」

むせながら横たわるシアに至近から呆れた表情を見せつつも、どこかホッとした様子を見せる拓人。そんな拓人を、ボーと見つめていたシアは、突如、ガバチョ! と抱きつきそのままキスをした。まさかの反応と、距離の近さに避け損なう拓人。

「んっ!? んー!!」

「あむっ、んちゅ」

「Oh‥‥寝取りやがったか。まあいいや」

別になんとも思わない。これで拓
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