暁 〜小説投稿サイト〜
お色気担当
第一章
[1/2]

[1] 最後 [2]次話
       お色気担当
 柏木陽子は声優である、八条グループという世界屈指の企業グループの声優部門の事務所に所属している。
 年齢は二十八歳で黒髪を伸ばしている。面長で特に鼻から下が二段の様に長くなっている。大人びたやや小さい切れ長の目に大きな口と耳を持っている。背は一五五程ですらりというよりかはすとんとした体形であり脚は長い。
 その陽子が事務所でマネージャーの司馬麻里に前に受けたオーディションの結果を聞いて言っていた。
「何かあれですね」
「また、よね」
「はい、巨乳役ですね」 
 こう麻里に言った、彼女の丸くかつ大きな目のある顔を見つつ。麻里は黒髪をショートにしている。結構ふくよかな感じで背は一六二程だ。
「私は」
「お姉さんとかヒロインとかポジションは色々でもね」
「何か私が演じる役は」
 それこそとだ、陽子はさらに言った。睫毛が長く実に女らしい目である。
「かなりの高確率で」
「キャラクターの性格は違っても」
「外見も。ですが」
 どうしてもというのだ。
「胸は、ですよね」
「大きいのよね」
「何か私言われてるんですよね」
「ネットとかね」
「はい、巨乳担当声優とか」
 つまり胸が大きいキャラクターの役ばかり演じているというのだ。
「デビューした時から」
「そういえばそうよね」
「高校出て今の事務所の養成所に入って」
「デビューしてからね」
「もうその役は」
 それこそというのだ。
「九割は、ですよね」
「キャラクターの顔やポジションや性格に関わらずね」
「もう絶対に」
 それこそというのだ。
「胸は大きいんですよね」
「たまに胸が小さい役あるわね」
「リアルの私みたいに」
 陽子は笑ってこうも言った、実はラジオ等でネタにしているのでネットでファン達に言われるまでもなく割り切っているのだ。
「そうした役もありますね」
「少女役もね」
「ありますけれど」
「そうした役はね」
「本当に稀で」
 胸が小さい役はというのだ。
「主人公のお母さんこの前やらせてもらいましたけれど」
「母親役もいいでしょ」
「いいですね、義理のお姉さん役も」
「演技の幅は拡がってるわよ」
「私も嬉しいです、けれど色々な役をやっても」
 それでもなのだ、陽子は。
「もう本当に九割方で」
「今度の役もね」
「胸が大きいですね」
「本当にそうよね」
「今回は主人公役で受けて」
 オーディションはそちらであったのだ。
「主人公貧乳なのに」
「そちらにはならずにね」
「巨乳のね」
「主人公の友達役になりましたね」
「もうあちらの方も」
「アニメの制作委員会の方も」
「貴女はね」
 陽子、彼女はというのだ。
「巨乳役ってね」
「そ
[1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ