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Episode.「あなたの心を盗みに参ります」
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話さなきゃいけないし」
「おう、わかった。じゃあまた学校でな。キッドの話、聞かせてくれよ」

 アオイは冗談っぽく笑ってそう言うと、私の返事が聞こえたのを確認して電話を切った。

 警察の人とは、もう話すことはないと思う。電話を切るための口実だった。

 苦しいのを誤魔化すのは、すごく疲れる。それに、アオイには絶対に悟られたくなかった。せめて、せめてこのまま、友達のままでいたい。悟られて、離れて行かれるのはもっと嫌だった。
 結局、私だってお見合いを強いられてしまうのだ。それなら、このまま友達でいて、たまにこうやって話ができたら、それでいい。大丈夫だ。すぐに忘れるだろう。

 私は自分にそう言い聞かせると、そのままベッドに倒れこんだ。逃げるように、そのままぎゅっと目を閉じる。

 それから数分経ったときには、私は予告状のことなんて忘れて、眠ってしまっていたのだった。

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