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借金大王
第三章

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「一体」
「合わせて五百万位か」
「一人辺り二十五万か」
「それ位だな」
「闇金から借りてねえよな」
「大学の時闇金やってるチンピラの女と付き合ってな」
「そんなこともあったな」
 こいつが手を出す女はまずまともな女じゃない、さっきのヤクザの奥さんにしてもそうだしチンピラの彼女もだ。他には生臭坊主の愛人だったりドキュンの女子高生だったりやたら派手で遊んでる女とかだ。
「そういえば」
「その時にチンピラに拳銃持って追い回されてな」
「それ以来か」
「闇金はやばいって思ってな」
 それでというのだ。
「そういうのにはな」
「手を出してないんだな」
「ああ、実際危ないだろ」
「洒落になってないからな」
 俺は即座に答えた。
「トイチとかと思えよ」
「リアルでそんなところなんだな」
「犯罪だぞ」
 そもそも闇金はそちらの話だ、金利がもう明らかに法律の上限を破っているから間違いないことだ。
「相手は」
「犯罪はよくねえな」
「そうだよ、だからな」
「今後はか」
「何があってもな」
 こう言ってやった、俺も飲みながら。
「闇金には手を出すなよ」
「わかってるさ」
「ああ、あとな」
「あと?」
「クスリもやってないぜ」 
 ジンをロックで飲みながら笑って言ってきた。
「俺は」
「常識だな」
「覚醒剤とか大麻とかな」
「一切やってないか」
「酒は好きさ」
 今実際に飲んでいる。
「あと煙草もな」
「相変わらず吸いまくってるか」
「煙草美味いぜ」
 煙草臭い息で言ってきた、実際に今も吸っている。
「だからどうだよ」
「俺はいいさ、あと灰皿な」
「持って来てるからな」
「だといいけれどな」
「いつも持ってるさ」
 煙草用の灰皿をというのだ。
「安心してくれよ」
「だといいけれどな、後な」
「後?」
「あいつが帰ってきてもな」
 妹の稚菜だ、こいつの女癖の悪さから言った。
「色目使うなよ」
「可愛いよな、稚菜ちゃん」
「それでもな」
「付き合ったら駄目か」
「お前今ホステスの人と同棲してるよな」
「ああ、そうさ」
「それで誰かと付き合うか」
 また殴ってやろうかと内心思った。
「お前は」
「駄目か」
「駄目に決まってるだろ、しかも俺の妹だぞ」
「そのことでも駄目か」
「いいか、二度と言うなよ」
 冗談でもと言ってやった。
「これからな」
「わかったさ」
「本当にわかってるか?」
「俺も見境なしじゃないさ」 
 こう言うが目には漢字で『嘘』の一文字が見えた、それも両目にだ。
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