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およしになってねティーチャー
第六章

[8]前話
「ほんまにな」
「そうしますか」
「ああ、しかしな」
「しかし?」
「学校の先生もな」
 つまり自分達がとだ、悠木は話した。
「しっかりせなあかんな」
「そんないい鉄は釘にならないとか」
「実際教師の犯罪めっちゃ多いしな」
「何か目立ちますね」
「洒落にならん位な」
「色々問題があることは事実ですね」
「そこは何とかせんとな」
「ほんまにあきませんね」
「ああ、実際にな」
 悠木は大山のその言葉に頷いて応えた。
「そうしたらわしもおかんに言われん様になるか」
「そうかも知れないですね」
「ほなわし自身襟を正していこうか」
「そうしましょう」
 二人でこうしたことを話してだった、そのうえで。
 悠木は母に言われたことは忘れなかったがそれでも自分の襟を正すことにした。そうして今日も授業に生徒達への指導に励むのだった。
 そして部活の時部員である生徒達にこうしたことを言われた。
「先生稽古もつけてくれますけれど」
「暴力とかは振るわれないですね」
「そうしたことはされないですね」
「暴力は使ったらあかん力や」
 悠木は生徒達に答えた。
「何があってもな」
「そう思うからですか」
「暴力は振るわれないですか」
「殴ったり蹴ったりとか」
「罵ったりとか」
「お前等そんなことされたら嫌やろ」
 悠木は生徒達に真面目な顔で問うた。
「絶対に、わしも嫌や」
「自分が嫌ならですか」
「他の人には振るうな」
「そういうことですか」
「お前等も同じや、相撲は暴力やないで」
 このことは絶対にというのだ。
「武道で身体と身体を打ち合わせる激しいもんでもな」
「暴力やない」
「そこは絶対ですね」
「そや、わしもお前等も武道をやってるんや」
 武道、それをというのだ。
「間違っても暴力やない、そのことはな」
「忘れへんで」
「そうしてですか」
「やってくで、ええな」
 こう言って稽古を続けた、悠木は今朝の大山との会話から自分自身に暴力のことも心に刻んだ。そのうえで教師でありたいと思うのだった。母が言うセクハラなぞ間違ってもしない様な教師になろうとも。


およしになってねティーチャー   完


                    2019・11・24
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