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家電製品を面白く
第一章
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               家電製品を面白く
 ウィリアム=スウィストはイギリスの家電企業ドレッドノート社の開発部門にいる、だが最近ドレッドノート社は業績を悪化させていた。それで開発部門もだった。
「このままだとな」
「もっと業績が落ちるな」
「今以上に」
「もっと悪くなる」
「我々も頑張らないと」
「よくないな」
「全くだよ」
 スウィスト自身も述べた、見事な黒髪をオールバックにしている高い鼻の男だ。目はグレーで唇は引き締まった赤だ。背は一七七程ですらりとした身体を白衣で覆っている。理系の大学を出ており博士号まで持っているのでドクターとも呼ばれている。
「この状況はな」
「我が社にとってよくはない」
「全く以て」
「何とか状況を打開しなければ」
「リストラという話も出る」
「どうにも」
「我々にも話がいくからな」
 そうなるからだというのだ。
「ここはな」
「何とかしないとな」
「我々にしても」
「何とか業績を好転させる方法はないか」
「何かいい知恵はないか」
「こうした時こそだよ」
 スウィストはさらに言った。
「何をするか」
「それだな」
「本当に」
「一体どうするか」
「この場合は」
「ピンチは機知により打開される」
 スウィストはこの言葉も出した。
「アイディアの場合もあるがね」
「粘りでもあるね」
「我々はいつもそうして生き残ってきたな」
「それでイギリスはナポレオンにも勝った」
「二度の世界大戦にも勝った」
「なら我が社もだ」
「機知やアイディア、粘りでこの危機を乗り切ろう」
 スウィスト以外の開発部のスタッフ達も頷いた、それで彼等は彼等の出来ることで社そして自分達の雇用を守る為に何とかしようと決意した。
 そしてその中でだ、彼等はだった。
 必死に考えていった、ここでスウィストは一つの閃きを感じた。それで同僚達にこうしたことを言った。
「これまでにない家電製品を出すんだ」
「そうは言うがね」
「これまでにないといっても」
「問題は具体的だよ」
「ドクターにそれはあるかい?」
「具体的なそれが」
「あるから言っているのだよ」
 スウィストは同僚達に不敵な笑顔で答えた。
「私もね」
「そうか、ではドクターのアイディアを聞かせてもらおう」
「具体的にはどんなものかな」
「それは一体」
「日本にある偉大な漫画があるのは知っているかい?」
 スウィストはその不敵な笑みでこうも言った。
「あの国に」
「日本の偉大な漫画は実に多いがね」
「百万馬力のロボットはもう古典だね」
「あと新世紀はアニメだったか」
「機動戦士もそうだったね」
「七つのドラゴンの球を集めるのはストーリーがワンパターンだがね」
「あの国は偉大な漫画が多いがね」

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