暁 〜小説投稿サイト〜
戦姫絶唱シンフォギア〜響き交わる伴装者〜
第1楽章〜覚醒の伴装者〜
第6節「前奏曲(プレリュード)は突然に……」
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「おお!やっぱり美味しいご飯が嫌いな人はいませんよね〜」
「どうやら、話が合いそうだ。ああ、それと……」
興味津々、という感じで聞き入っている立花。
キラキラした彼女の目を見て、言い知れぬ安心感を抱く自分がいる事に気が付いた。
そういえば、あの頃の彼女は暗い顔でいる事が多かった。きっと今の彼女は、もうあんな目に遭う必要のない生活を送っているのだろう。
そう思うとなんだか少しだけ、肩が軽くなった気がした。
 
「それと、俺も彼女いない歴は年齢と同じだ」
「えええええええ!?翔くんすっごいモテそうなのに!?」
「言われると思ったよ……。ぶっちゃけるとな、肩書きと顔で寄ってくる子の方が圧倒的に多かったから軒並みフッて来たわけ。それに、今俺が通ってるの男子校だからさ。モテるのと彼女が居るかどうかは別なんだよ」
「な、なるほど……。意外に苦労してるんだね……」
特に中学の頃だ。あの頃が一番、その手の輩に腹が立った時期だった。
下手すりゃ人間嫌いを発症しかねなかったと今でも思う。よく耐えられたな、俺。
 
「まあ、これでお互いの事は分かったな」
「そうだね。よろしく、翔くん」
差し出されたその手を見て実感する。
ああ、この手こそ俺が待ち望んでいたものだ。
この二課に入りたいと願った理由を、もう一度思い描く。
そうだ。俺は今度こそこの手を握る為に……今度こそは彼女を守る事で、あの日を償う為にここに居るのだ。
だから……そっと、差し伸べられた手を取って、壊れないように優しく握りしめた。
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