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戦姫絶唱シンフォギア〜響き交わる伴装者〜
戦姫絶唱シンフォギア
第0楽章〜前日譚〜
はじまりは何気なく
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と、彼女も同じだったと思う。もっとも、それを知ったのはかなり後になってからだったんだけど。
 
「クリスちゃん、手を出して」
「え?」
 
 クリスちゃんの指に、余ったシロツメクサで作った指輪をはめる。
 母さんから作り方を教わった時に、相手の左手の薬指にはめるのが決まりだって聞いてたから、その意味を知らなかった僕は迷わずクリスちゃんの左手の薬指に、その指輪をはめた。
 
「わあ……」
「やくそく。おおきくなったらボク、ほんもののおうじさまになる。そして、クリスちゃんをむかえにいくよ!」
「ほんとう!?じゃあ、やくそくね!あたしもおおきくなるまでに、もっときれーになってまってるから!」
 
 ゆびきりげんまん、交わした約束。
 子ども同士の何気ない、ただの無邪気さの表れだったはずのそれは……いつか、僕と彼女の心を繋ぎ止める支えになった。
 
 どれだけ離れていても、どれだけ挫けそうでも。
 寝ても冷めても忘れられなくても、心の片隅に忘れていても。
 
「幸運」と「約束」の花が飾る記憶は、「復讐」に駆られて引き金に指をかける彼女の胸にもきっと、僕の存在を強く刻み込んでいる。
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