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架空戦記〜東洋海戦争1941〜
第五話「カメハメハ作戦」
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統合歴1941・4/29・14:00
「!敵航空機の大編隊を探知!距離凡そ60!」

「!?」

「何だと!?」

その報が届いたのはオセアニア諸島を目前とした時であった。ここまでくると流石の第一主力艦隊の司令や戦艦オワフの艦長も警戒を厳にしていた。しかし、その報告は信じられない者だった。

オセアニア諸島には飛行場は無かった。あったとしても合計五百機配備できればいい位の物だった。しかし、見張り員の報告からは空を埋め尽くすほど、つまり千機以上の航空機が近づいてきていると言う事であった。

「全艦隊に通達!対空戦闘用意!急がせろ!」

「は、はっ!」

司令の怒鳴り声に通信士が慌てて各艦に指示を送る。それと同時に艦内に敵機の襲来と対空戦闘の用意を命令する。

外では対空砲員が弾丸の装填や敵機の来る方向に銃口を向け備えていた。その中の一人、タツミも対空砲員の一人として慌ただしく動いていた。

そして、全ての準備が完了するのと敵機の大編隊がやって来るのはほぼ同時であった。

「対空戦闘始め!」

「対空戦闘始め!」

司令の命令で真っ先に主砲の38.5cm連装砲二基が火を噴く。それらは敵に当たる事は無かったがそれを皮切りに全ての砲が一斉に火を噴きやって来る敵機に襲いかかる。他の艦も同じであり葦原中国も対空戦闘を行った。

しかし、それらの弾幕を物ともせずに敵機は近づいてくる。そして、

「敵機上空!急降下!」

「衝撃に備えろ!」

戦艦オワフの上空から攻撃機から切り離された爆弾が落ちてくる。空を切る独特な音と共にオワフの左側面に命中する。

「ぎゃぁっ!」

「衛生兵!」

「消火しろ!誘爆するぞ!」

爆弾の命中部分はまさに地獄絵図と言ってよく大混乱に陥っていた。そんな彼らに更なる悲劇がやって来る。

「!側面部に雷撃機多数!」

「回避行動を取れ!」

悲報、それは左から垂直にやって来る雷撃機の部隊。そして、既に魚雷は発射され離脱する直前であった。

見張り員が気付いたころには遅く、十を超える魚雷が無防備なオワフの側面部に突き進んでくる。しかし、

「!?駆逐艦ウィリアムス魚雷と本艦の間に…!」

「何だとっ!?」

司令が左側を見ればオワフより小柄な艦、駆逐艦ウィリアムスと言う艦が真横についていた。そしてそれと同時に複数、決して片手では数えきれない程の水柱が出る。

駆逐艦の艦橋ではオワフの艦橋に向かって敬礼しているのが見えた。しかし、それは直ぐに見えなくなった。大量の魚雷を受けた駆逐隊ウィリアムスは大爆発を起こし海にあっという間に沈んでいったのである。

「…駆逐隊、ウィリアムス。撃沈…」

見張り員の悲痛な言葉に誰も声を出せない。彼
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