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偽装結婚シリーズ
偽装結婚その後の話
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「そーいえば、言わなきゃいけない事があったんだ」

 不意にそれまで書き進めていた筆先を留めて、口を開いた火影。
 その言葉に、補佐として働いていた扉間とミトは動きを止めた。

「言わなきゃいけない事? なんですか、姉者」
「そうですわ、柱間様。今更改まって……私達の間に気遣いなど無用ですわよ」

 おほほ、と優雅に微笑むミトに、火影は微笑みで返す。
 火影の服装が男物であるせいか、どっからどうみても恋人同士、または結婚したばかりの若夫婦にしか見えないのは目の錯覚か。

 ちょっと溜め息を吐きたくなった扉間だったが、次の言葉に体の動きを止めた。

「なんかさ、昨日分かったんだけど、どうも妊娠したらしい」
「――――は?」
「――……え?」

 錆び付いた絡繰り人形の様な動きで、自分を見つめる弟妹達の姿に火影は苦笑を浮かべる。
 弟妹達は互いに目を合わせて、それから大声を上げながら敬愛する姉の元へと詰め寄った。

「だ、だれのっ! 誰の子供ですか!?」
「だ、誰のって……、相手は一人しかいないだろうが」

 今にも胸元を掴んで揺さぶりそうな勢いの弟妹達に、やや引き攣った表情で火影は返す。
 確かに火影の言う通りである。
 仮にも既婚者であるのに、結婚相手以外に子供を作ればそれはそれで大問題だろう。

 やや冷静さを取り戻した扉間の脳裏に不機嫌そうに眉根を顰めている男の姿が過る。
 以前程嫌悪感を抱かなくなったとはいえ、それでも胸の奥に苦い思いが巡るのは致し方ない――隠れシスコンの性というものだ。

「そ、そうですわね……。相手は一人しかいませんものね……ほほほ。――って、いやあああ!!」
「ミ、ミト! 気持ちは分かるが落ち着け!! 正気に戻れ!!」
「だ、大丈夫なのか、ミト!?」

 突然両手で頭を抑えながら悲鳴を上げた末の妹の姿に、流石の火影も慌てた様子で椅子から立ち上がる。
 生命の鮮やかさを象徴する様な赤い髪が乱れ、彼女の内心とは裏腹に室内を軽やかに彩った。

「私の、私達の柱間様がぁっ! あの男、よくも……!!」
「ひとまず落ち着け、ミト! 昔はどうあれ、今は姉者の夫だろうが! 子が出来ても不思議じゃない!!」
「止めないで、扉間! 今日という今日は何としてでもあの男の息の根を……違った、一発ガツンと言ってやらなければ気が済みませんわ!!」
「おーい。落ち着けー、二人共」

 ちょっと呆れた目をしている火影が自体を沈静化させるために窘める響きの声を出すが、弟妹二人は聞いてなどいない。……というか弟は妹の錯乱を止めるのに必死だし、妹の方は声自体が耳に届いていない様だ。

「くっ……! こうなればあの日にどんな手段を使ってでも離婚させてし
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