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異能バトルは日常系のなかで 真伝《the origin》
第一部
第三章 異能訓練
3-2
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「はぁ。怖いなあ」
鳩子は落ち着かない様子だった。が、それは無理もない。
時折異能検診と称して異能を使うことはあったものの、それはあくまで異能の変化を見るためであり、相手がいてそれと戦うつもりで使うのは皆ほぼ初めてと言っていい。
ましてや鳩子や千冬ちゃんの異能は殺傷性が非常に高い分、傷つける可能性も跳ね上がる。
「あたしでさえそうだもん。鳩子達はもっとよね」
彩弓さんがいて治せるとはいえ緊張は仕方あるまい。
「気持ちは分かるさ。あとは慣れるしかないな」
そんな事をおれは言いつつ、茶器で優雅に紅茶を飲む相変わらずの千冬ちゃんを一瞥し、訓練の内容についての話し合いに戻る。

文芸部で方針が決まった頃、煙草を吸いに行った一さんとトイレに行った斎藤先輩が戻ってきた。
「それじゃ、お前らの考えを教えて貰おうか」
おれと目配せした後、彩弓さんが説明に入る。

「はい。まずそれぞれの役割ですが異能の関係上、中遠距離は鳩子さんと千冬さん。近距離は安藤くんと灯代さん。私は後方で回復と司令役を担当します。次に訓練内容ですが、鳩子さんと千冬さんのペアで模擬戦闘を。自身と似たタイプの人と戦う事で、自身の弱点や強い立ち回りなどが学べればと思います」

さっきの話し合い(ほとんど彩弓さんとおれの意見)の結果を先輩二人は黙って聞いている。

「おれと灯代は彩弓さんに近接戦を教えて貰いたいと思います。これは異能での攻撃や、自衛の弱さを少しでもカバーするためです。お二人には様子を見てもらって指示やアドバイスを貰えたらと思ったんですが……どうでしょう?」
「うん、いいんじゃないかな、これで」
一十三先輩は納得の笑顔で頷いてくれた。
「ああ、おれも賛成だ。だが、一つだけ訂正する」

寿来は別行動な。

その一言におれは少し困惑した。
「え、じゃあおれは何をすれば……?」
「お前はおれとだ」
一さんの顔がひどく楽しそうに、そして凶悪に歪んだ。

「お前はおれと、模擬戦闘だ」


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「あいつ、大丈夫かなあ?」
あたしはなんとはなしに本音を口にした。

今は彩弓さんとの訓練のため、更衣室で持ってきていた自前のジャージに着替えている。

私達の訓練の場所は道場。

千冬ちゃんが異能で空間を作る時に道場をイメージして作って欲しいと言ったのは彩弓さんだった。
雰囲気のある道場だ。 学校の柔道場が一番イメージに近いか。大きさはそれほど広くなく横幅、奥行きが大体二十メートルくらい。
少し古いが清潔で
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