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ユア・ブラッド・マイン―鬼と煉獄のカタストロフ―
episode4『日常の在り方』
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て考えれば、自分はとんでもないことをしでかしてはいないだろうか。
 
 さぁぁぁ、っと顔色が蒼くなっていく。そんなシンの様子を見てますます不安になったのか、シスターがシンの背をさすりながら声をかけてきた。
 
「だ、大丈夫なのか?まだどこか具合が......」
 
「い、いや、大丈夫シスター、ちょっとすごくお腹すいちゃっただけなんだ。何か食べられるものとかないかな」
 
「ああ、なら少し待っていろ。お粥さんでも作ってくる。目が覚めたとはいえ、まだ本調子には程遠いだろう、しばらくは横になっておけ」
 
 くしゃくしゃとシンの頭を撫でてそう言い残したシスターは、パイプ椅子から立ち上がるとパンパンとスカートを払ってから部屋を出ていく。「何かあればすぐに呼ぶんだぞ」と釘を刺してから、表の廊下へと姿を消した。
 
 その後ろ姿を見送ってからぽすんとベッドに倒れこめば、今更ながらに腕に感じる違和感に気づく。腕を持ち上げてその元を確認してみれば、シンの外殻に包まれた腕からは何やらチューブが伸びていた。打ったのは初めてだが、おそらくこれが点滴というものなのだろう。
 
 ベッドの脇を見れば、ガートル台が点滴の入ったパックを吊るしていた。新鮮な気分だと苦笑して、視線を扉のほうへと戻す――と、扉の隙間からこちらをのぞき込む視線と目が合った。
 
 ぱちり、と瞬き一つ。あまりに見覚えのある目だったので少し笑ってしまうが、気を取り直してその視線の主へと声をかけることにした。
 
「入っておいで、マナ。廊下は冷えちゃうからね」
 
「......!」
 
 その言葉にぱぁぁ、と表情を輝かせたマナは控えめに扉を開けて入ってくると、きちんと戸を閉めてからとてとてと駆け寄ってくる。

 シンに負担を掛けないよう優しく抱き着いてきた彼女の背をポンポンと叩いてあやしつつ、「心配を掛けちゃったね、ごめんよ」と簡単な謝罪も加えておく。
 
 そんなシンの様子に何を思ったのか、ぎゅう、と抱きしめる力を強めたマナの表情は窺い知れない。随分となつかれている分、余計に不安がらせてしまったのだろうか。
 
「......だいじょうぶ?もう、なんともない?」
 
「うん、もう大丈夫。ちょっとの間は安静にしてるけど、すぐに良くなるよ」
 
 涙声でそんな風に聞かれてしまっては、年長者として不安がらせるわけにはいかない。事実、しばらく寝たきりだったためか体が重い、くらいしか体に支障は見当たらない。これも少しずつ運動をしていけばすぐに良くなるだろう。
 
 髪をくしゃくしゃにしないように優しくなでつつも、「そういえば」と気になっていたことがあるのを思い出す。結局、シンはあの時の顛末を
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