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昆明の警官達 
第四章
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「ええが」
「法律に触れるとな」
「しかもそれが麻薬やとな」
「もう放っておけん」
「ここの警察もまだ掴んでないが」
「まさかな」
 緑麗はまた言った。
「たまたま私等に絡んできたチンピラがな」
「麻薬を持ってたとかな」
 紅美も言う、言うまでもなくそのチンピラは二人に叩きのめされた。
「運がよかったな」
「お客さんに売る前にな」
「それでな」
「これは決定打や」
「ほんまにな」
「警察にこれ送るか?」
 緑麗はそのチンピラから取り上げた麻薬を出した、一見すると咥え煙草だが煙草ではないのは言うまでもない。
「そうするか?」
「それでもうな」
「万事解決やな」
「これは猛虎のやつでな」
「白獅子は白獅子でな」
「あそこも娼館で幼子にお客さん取らせてるし」
「非合法な店でな」
 つまり両方共見過ごすことなぞ絶対に出来ない犯罪行為に手を染めているというのだ、ヤクザ者の常であっても。
「どっちも警察に言えば一発や」
「それで終わりやが」
「しかしやで」
 緑麗は麺をすすりつつだ、家鴨の肉を食べている紅美に言った。その口調は妙に落ち着いたものになっている。
「ちょっと飲んで食べるの急ごうか」
「そやな」
 紅美も落ち着いた声で応えた。
「急いで全部飲んで食べてな」
「それでな」
「お勘定払ってお店出ような」
「そうせなあかん様になったわ」
「ほなな」
「全部飲んで食べような」
 こう話してだ、そしてだった。
 二人で雲南料理も紹興酒も急いで飲んで食べてだ、勘定を済ませて店を出たが店の前にだった。
 柄の悪い者達がいてだ、二人に言ってきた。
「わかるよな」
「猛虎のモンだ」
「白獅子のモンだ」
「うちのモン可愛がってくれたらしいな」
「うちのシマ探ってるらしいな」
「ヤクのこと知ったな」
「小娘に客を取らせてることを」
 男達は二人を囲んでそれぞれ言ってきた。
「目立つ行動してたからわかったぜ」
「この店にいるってな」
「何モンか知らねえがな」
「俺達は女だからって容赦しねえからな」
「お互いの決着つける前にまずは手前等だ」
「始末してやる」
「そうか、ほなな」
 ならず者達に囲まれてもだ、緑麗は冷静なままだった。そしてその冷静さのまま彼等に対して言うのだった。
「私等をばらすか」
「来い、そこで始末してやる」
「二人共な」
「そこに俺達の殆どが集まってるからな」
「それぞれの組の頭達もいるからな」
「二つの組の奴等全員で少しずつ切ってやる」
「凌遅刑にしてやるぜ」
 こう言って二人を街の外れの人気のないところに連れて行った、そこには様々な種族の人相の悪い者達がいた。合わせて五百人といったところか。
 その中から虎人の男と獅子人の男が前に出て
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