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昆明の警官達 
第三章

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「思うだけやったらな」
「浮気にならんてか」
「実際にキスとか手をつないだらアウトやけどな」
「それでもやな」
「思うだけやとな」
 実際に行為にならなければというのだ。
「ええし」
「それでやな」
「そや、思うだけやったらええし」
 緑麗はさらに言った。
「ヤクザ屋さんの抗争もな」
「起こる前にか」
「収めればええか」
「そういうことやな」
「ほな事前にことを収める前にやな」
「もっと情報取集していことな」
 そのことを収める為にと言ってだ、そしてだった。
 二人は双方の情報収集を進めていった、具体的には二人でそれぞれの組と関わりがある店だの人だのに話を聞いた。
 時には因縁をつけてきた組の下っ端を張り倒してそのうえで情報を聞き出したりしていた、そしてだった。
 結構情報が集まったところでだ、緑麗は紅美に雲南料理の店で二人が好きな酒の一つ紹興酒を頼み雲南料理も頼んだ。その料理はというと。
 過橋光綿これは米の麺と色々な具を熱い湯に入れたものに家鴨肉のローストである宜良?鴨に餌饋というウルチ米と餅米で作った薄い餅に石屏豆腐、鶏肉を蒸して作った湯である汽鍋鶏、パイナップルをくり抜いてその中に蒸した餅米を入れた料理である菠蘿飯にデザートにマンゴープリンを注文してだった。
 二人で飲み食いをした、そこで緑麗は卓を挟んで座っている紅美に言った。
「いや、頭の跡目争いがあって」
「それでやな」
「こっちも武闘派が力を握った」
「よおある展開やな」
「黒社会ではな」
 中国では裏社会をこう呼ぶ、そしてヤクザ者達もこの世界にいるのだ。
「常やな」
「ほんまにな」
「しかもどっちの組の頭もな」
「昆明の黒社会を一手に握ろうとしてな」
「まずは小さい組を入れてくか潰すかして」
「二大勢力になった」
「逸れて今度は昆明を握る為にな」
「全面抗争の用意や」
 それに入ったというのだ。
 ここで緑麗は紹興酒を一口飲んでから紅美に話した。
「それでお互い手段を選ばん」
「どっちの頭もそうしたタイプでな」
「武闘派の頭だけでなく幹部連中もな」
「典型的なヤクザ屋さん達ばかりでな」
 多くの者が連想する目的の為には手段を選ばず悪事を何とも思わない、欲望が強くしかもそれに忠実な者達ばかりだというのだ。
「それでな」
「資金を手に入れるのもな」
「麻薬とかにも手を染めてる」
「これは決定打や」
 緑麗は猫目、黄色く光るそれを輝かせて言った。
「まさにな」
「そやな、普通にテキ屋やそれやとな」
「ヤクザ屋さんでもな」
「法律に触れんとな」
 そうしたことで金、この世界で言うシノギを得ていたならというのだ。
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