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香水と蝶
第五章
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「それでや」
「ここはか」
「そや、それでここで他にも悪さしようとしてるなら」
「それならやな」
「その証拠も掴んでな」
 そのうえでというのだ。
「捕まえる」
「それからか」
「そうしてくで」
 こうしてだった、スーンはまずはだった。
 男が触った野菜と煙草の吸殻を手に入れた、その結果だった。
 その二つを市警察に勤務している薬剤師に調べさせるとすぐにわかった、まずは野菜に付いている香水は。
「それが蝶々を集めるんやな」
「その薬の素がかなり入っています」
 ゾンビの薬剤師がスーンに答えた。
「というかそういうものを集めて」
「香水を作っていたんやな」
「そうでした、そして煙草は」
 薬剤師はスーンに今度はそちらの話をした。
「蝶々を避けさせる薬の素がです」
「ようさん入ってるか」
「ですからあの男にはです」
「蝶々が寄らんかったか」
「その様です」
「謎は解けたな」
 その話を聞いてだ、ロシティーも述べた。
「そやな」
「ああ、ほなな」
「今からやな」
「この二つの証拠をな」
「あいつ本人にか」
「突き付けて警察の事情聴取に送り込む」
 スーンはロシティーに確かな顔で述べた、そして実際にだった。
 二人で街に出て男を探そうとした、すると男は街の金持ちの未亡人犬人の美意識の中では熟れきった美女に言い寄っていた。だがそこにだった。 
 二人は来て証拠を突き付けた、男はそれでも言い逃れをしようとしたが動かぬ証拠は強かった。それでだった。
 二人は男を警察に突き出した、取り調べの結果男の本名はやはりマッコト=サカタチットであり蝶々や芋虫が街に異常発生していたのも男の香水のせいだった。そして男の煙草も警察の見立て通りだった。
 男は裁判にかけられて実刑となり強制労働となった、出所後は流石に反省したのか仏門に入ったという。
 今回の騒動はこれで終わった、そうして。
 スーンはロシティーと共に街を後にした、その時にだった。
「サンユッタ=ニカーヤや」
「その本がか」
「そや、今僕の手に宿った書の名前や」
 こうロシティーに話した。
「これは凄いで」
「仏教の経典の一つやな」
「そや、持ってるとあらゆることを教えてくれる」
「そうしたもんか」
「神具や」
 それだというのだ。
「僕の中に聞こえる声がそう言ってくれてる」
「そうなんやな」
「それでや」
 スーンはロシティーにさらに話した。
「神託を適えて僕自身もな」
「強うなったか」
「なったわ、全体的に一皮剥けた」
「そんな風になったか」
「そや、それでや」 
「強くなりもして」
「それでや」
 そのうえでと言うのだた。
「新しい神具と力も使ってな」
「この世界を救うか」
「そうするからな」

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