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徒然草
17部分:十七.山寺に

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十七.山寺に

                    十七.山寺に
 深い山のお寺にこもってそこに御仏にお仕えしていますとつれづれとすることもなく何かにつけて馬鹿馬鹿しいと考えていた気持ちも消え失せてしまって心の汚れを洗い流してもらっているような気持ちになります。
 それを思いますとやはり御仏にお仕えするのはとてもよいことであります。ただ何かをしているというだけではなくそこから奇麗なものが出て来てくれて自分自身を感化してくれます。ですからまずは少しだけでもいいですから御仏を崇めることであります。何もしないよりはまず少しでもいいから何かをする、それをきっかけとして心の汚れを奇麗に洗い流していきたい、そう考えております。心は気付かないうちにとても汚れていたりします。それを一人で洗い流すことができればいいのですがそうであれば最初から気付くものであります。ですからこうして御仏にお仕えすることでそれを洗い流して。そのうえで心を清らかにしていきたいものであります。中々難しいことではあります。それこそ口で言うことは非常に容易いです。しかしそれをいざやってみるとなるとどううわけか難しい。しようしようと思っていてもついつい忘れてしまったりどうにもこうにも面倒臭くなってしまったり。それでやらなかったりそれがそのまま続いてしまったり。いけないと思いながらも怠け心からそうなってしまうものであります。それこそが心の汚れでありますから。やはり難しいと思う次第であります。


山寺に   完


                  2009・5・2

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