004話 現状把握と学園都市
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昏睡してから約二日の間、シホは眠りについていた。
病室では魔力が回復したタマモが誠心誠意、真心を込めて看病していた。
「はぁ〜…ご主人様の寝顔はとても可愛いのですけど、タマモとしましては早く起きて元気なお姿を見せてもらいたいです…」
憂いの表情をしながらもタマモは濡れたタオルでシホの体を拭いてあげていた。
まだ時期的には冬休み直前な頃合、だがシホの体は高熱に晒されているかのように熱くなっているので拭いてあげていたのだ。
そこに数少ない客人が病室に入ってきた。
「見舞いに来てやったぞー」
タマモが声で振り向くと、そこには茶々丸を後ろにつかせているエヴァがいた。
二人の格好は制服姿なのでおそらく学校の帰りなのだろう。
エヴァンジェリン・A・K・マクダゥエルは本来こういった面倒くさい事はしない性質の人物だが、シホの境遇と己の過去を照らし合わせて深く共感したためこうしてよく病室に見舞いに来てくれている。
この一連の行動に魔法関係者はえらく驚いているとのこと。
「む、まだ目を覚まさんか。もうあれから二日は経つというのにな…」
「そうですね、エヴァンジェリン」
エヴァは手ごろな椅子を取り出してくるとドカッと座りシホの寝顔を凝視していた。
そこにはどこか哀愁が漂っているとタマモは感じた。
「ふぅ…せっかく目覚めたらナギについて色々と聞こうと思っていたのだが、また無駄足だったようだな」
「昔話でしたら私もできますよー? まぁ感覚的に言えばまだついこの間のように感じますが。
そういえば私達がいなくなってからその後、なにがあったんですか…?」
「ん。そうだな…私も当事者ではないから詳しくは知らんからろくに話せないが、端的に言えば『完全なる世界』と名乗る集団はナギ達が打ち倒したらしい。
なお、その戦いによってメンバーの一人であるゼクトが消息を絶ったらしい。
そして他のメンバーで大戦後に数度会ったきりだが、まずジャック・ラカンは恐らくだが魔法世界のどこかにいるだろうが行方は知れず。
アルビレオ・イマも同様行方は不明。
ガトウ・カグラ・ヴァンデンバーグはタカミチがある戦いで死に際を看取ったという。
そして近衛詠春だけは所在がはっきりしており今は関西呪術協会の長となっている」
「…『赤き翼』は事実上の瓦解といったところですか。ところで生意気でいつもご主人様を困らせていた糞ナギはどうなさったんですか? 名前が挙がりませんでしたが…」
「やけに辛辣だな。まぁいいが…あいつは15年前に私をこの麻帆良の地に『登校地獄』とかいうふざけた魔法をかけて封印した後、いつかは解きに来るとか抜かしていたが10年前に行方不明になり公式では死亡扱いとなっている。ほんとうにとことん馬鹿な奴だったよ…」
「―――…
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