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魔法が使える世界の刑務所で脱獄とか、防げる訳ないじゃん。
第一部
第16話 大晦日の第一魔法刑務所
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殺すぞ!!」
「おー怖い怖い! 皺増えるよー! 老化が早まるよー! 白髪ジジイになるぞー!」
「青藍手前……ッ!!」
「御前等煩いぞ! 主任看守として、恥ずかしくないのか」
「はァ!? 知るか! 兎に角、コイツ等シバかないと気が済まねェ!」
「おこちゃまー! おこちゃま橙条ー!!」
「中学男子の喧嘩ー! 低レベルすぎるー!!」
「手前等ァァアアアア!!」


 と、四人で喧嘩をしていたからである。

 現在は落ち着いて会議が始まっていた。


「今日アナタ達を呼んだのは、明日のコトと、先日一舎主任看守、黒華を襲撃した二人の殺し屋についてよ」

 上座に座った"ロリっ子"が、思い切り私を見ながら言ってくる。

「……あの、"看守長"。私は大丈夫なのですが……」

 私は、看守長を見ながら言う。


 そう、看守長は―――


「ダメよ! コトハが殺されそうになったんだから!!」


 見た目はロリっ子、中身は立派な看守長・赤司(あかし)紅葉(くれは)だ。
 小柄な体型に、横髪を少し伸ばしたショートボブの赤髪、金の様な瞳。幼さしかないその見た目故、大抵の人にロリと間違えられる。だが、実際はこの第一魔法刑務所の看守長である。"合法ロリ"と言うヤツだ。

「あの、看守長……私は殺されてないですし、殺されそうにもなっていませんよ?」
「そうじゃないの! コトハは少し黙ってて」
「あ、ハイ…………」

 隣で橙条が肩を震わせている。笑うなら大声で笑えそして退場しろ。

「とにかく、あのメイド兄弟は四舎に居るのよね? 暴れたりはしてないかしら」

 適当な理由で四舎に送った私にとって、そこが一番気になるところだ。何かあれば、少なくて六割は私の責任にされる。
 だが、神白は「異常ありません」とだけ答えた。それなら良いのだ。

「ならいいわ。今後も四舎で様子を見ましょう」

 ほっと息を吐くと、青藍に不審そうな目で見られる。私が妙に焦っていたのがバレたか。だが、今発言する事は出来ないので、スルーする事にしよう。

 その後、"明日について"の話し合いが続いた。

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