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ツインズシーエム/Twins:CM 〜双子の物語〜
ツインレゾナンス
第12話 些細な衝突
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と、先ほどエースはバカとは言ったが、彼は決して知識の面ではバカではない。頭の回転も、場合によっては早い。

「なら質問を変えましょう。もし行きたくない理由が他にあった時に、彼女が嘘をついて断るような人物だと思いますか?」

「それは……まぁ。つかねぇな。下手くそだし」

 どうやら、エアードの説得の方が効果があったようだ。同じクラスにおり、さらにはエースのように立場的なものがない分だけ、すんなり受け入れられる、ということだろうか。

 ヒートアップしてしまった自分にも悪いところがあったことは理解しているが、それでも、つくづく立場というのは面倒だな、とエース思わざるを得なかった。

「彼女の言い分を信じてあげましょう。悪いイメージは、今後に響きますからね」

 エアードにそう言われて、フォーティスは鼻を鳴らした。このような展開になってしまったことが、相当気に入らないらしい。

 しかし、今後に影響するというエアードの言葉が現実になってしまうことと天秤にかけると、やはり気に入らない展開に乗るしかなかったようだ。

「しょうがねぇな。エース・フォンバレン、今回はテメェの説得に応じてやるよ。分かったらさっさと出ていけ」

「言われなくても出ていってやるよ。じゃあな」

 くるりと振り返って歩き出したその背中越しに、エアードの苛立ちの表情と、フローラの申し訳なさそうな表情が見える。フローラにフォローを入れようかとも思ったが、これ以上の長居はさらなる揉め事を起こすだろうと考え、エースはフローラのいるクラスから足早に退散した。

 そのエースの姿を拳を握りながら見ていた生徒がいることは、前を向いたエースが知るはずもなかった。
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