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銀河酔人伝説
酔っ払い、選挙に出馬する

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惑星エル・ファシル・・・銀河帝国との前線の近くにあるこの惑星は軍人とその関係者が多く在住していおり、その玄関口であるエル・ファシル宇宙港には現在、大勢の人だかりができていた。人だかりの前には仮設のステージが建てられており、大きな横断幕が掲げられていた。
しばらくするとステージに2メートル近くはあろうかという大男が現れた。我らが主人公グレゴリー・カーメネフだ。グレゴリーはマイクを持ち、聴衆に話しかけた。

「エル・ファシル宇宙港にお集まりの皆さん、おはようございます!!私が、今回実施される、自由惑星同盟議会代議員選挙に、このエル・ファシル大選挙区から出馬することになりました、グレゴリー・カーメネフでございます!!この場にいる幾人かはご存知かもしれませんが、私には国立中央自治大学の先生方のような学はございません!ハイネセンの大金持ち達のような財産もありません!お茶の間の御婦人達を魅了できるルックスも持ち合わせておりません!私にあるのはこの腕っ節と、エル・ファシルを!同盟を!市民を!支えたい!!この熱き想いだけであります!!エル・ファシルの市民の皆さん!!私は帝国との戦争を勝利に導こうとか、暮らしを今すぐに改善させるとか、そのような大それた約束をする事はできません!!しかし!これだけは約束させていただきます!!エル・ファシルの同盟市民の皆さんの生の声を必ず、ハイネセンの中央に届けると!!そして私は!皆さんと共に考え、歩むことを!ここに誓わせていただきます!!どうか皆さん!!このグレゴリー・カーメネフを!!同盟議会に送ってやってください!!私に!!仕事をさせてください!!よろしくお願いします!!ありがとうございました!!!」

グレゴリーがそう演説を締めくくると拍手が沸き上がった。彼がステージから降りて大衆に握手を求めに行くと、大勢が彼を囲んで、握手を求めていった。
この光景を遠くから優しく見守っている中年の男性がいた。

「やれやれ、何を喋って良いか分かんないから原稿を作ってほしいと泣きついてきたのに、全然見てないじゃないか。しかし完全にアドリブであそこまで喋れるとは・・・奴さん、政治家なんて頭が良くないと出来なさそうな職業なんて柄じゃないし出来ないとか言ってたが、あの喋り方は間違いなく政治家向きだよ。」

そう男性は呟いた。
すると隣にいた秘書らしき青年が、

「書記長、そろそろお時間です。次のシャンプール選挙区へ行きませんと間に合わなくなります。」

と忠告すると、

「そうだな、ここは大丈夫だろう。次へ行こうか。」

と答え、その場を後にした・・・

この中年の男性こそ、グレゴリー・カーメネフを政治家の道へと導いた師である、社会改革党書記長であり、最高評議会人的資源委員会委員を務める、ホアン・ルイその人である。

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