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稀代の投資家、帝国貴族の3男坊に転生
37話:3年後
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と昇進で報いる事が出来てホッとしている。ただ、未だに死者を量産することには意義を見出せていない。
戦争に勝利したとして、今の門閥貴族が主導する帝国では、農奴に落とすという事になるだろう。130億人の農奴をそもそも食わせていけるのか?どうせとてつもない規模の反乱が起きてどうしようもなくなる未来しか見えない。境界線の辺りで、消耗戦に持ち込むくらいしか選択肢がないのだ。
すこし思考が暗い方向に引っ張られている。こういう時は自分なりに在りたい生き方が出来た事を思い出そう。俺は大佐に昇進した頃から、叔父貴経由で兄貴から密命を受けるようになった。

背景としては、軍部・政府・大領を有する貴族のバランスを保つために兄貴は表立ってはしたいようにさせている一方で、内密にどうしようもない案件を裏で少しでも救いがあるように動いている。その実行者のひとりが俺だという話だ。今思えば三文芝居だが、こういう心境の時は心を健全にする意味でいいだろう。

出征前の事になるが、ある下級貴族が連帯保証人となったが当人が飛び、当初の想定を大幅に超えた債務の支払いを求められていた。本来なら、こんな話をいちいち救ってはいられないのが実情だがこの話は裏話がある。
財務尚書カストロプ公爵が裏で脚本を書いていたのだ。何でも、その家に代々伝わる絵画を強引に買い取ろうとしたが、早世されたご子息夫婦の思い出の品でもあった為、突っぱねられた。さすがは欲の塊の門閥貴族、ならば破産させて手に入れようという人徳溢れる話を思いついたらしい。それをさも自慢げに宮中で話しているのを叔父貴が聞き及び、兄貴に話を通して密命が出たわけだ。

「お忙しい所、失礼いたします。ザイトリッツ・フォン・リューデリッツと申します。ある方から、内々にご恩をお返ししたいという意向があり、参上したのですが宜しいでしょうか?」

「ご丁寧に痛み入るが、我が家は破産寸前の状況。悠長に話ができる状況ではない為、ご無礼をお許しいただきたいが、率直な話をお願いしたい。」

現当主は既に年配と言っていい方だ。さすがに疲れた表情をしているし、このままでは夜逃げするしかない以上、悠長に話を聞く気分でもないのだろう。

「はい。実はある方が過去にご子息に表沙汰にできないことでお力添えを頂いたらしく、貴家の現状をお知りになり、少しでも御恩を返したいという事でした。ただ、名乗り出るのにはばかりがあり、私が代理人として参りました次第です。こちらをお納めください。」

そう言って、大き目のトランクケース2個を、お渡しした。中にはキャッシュで600万帝国マルク入っている。連帯保証の金額は500万だからなんとかなるだろう。

「しかしながらそのような謂れのない資金を施して頂くわけには・・。」

「ご当主、これはご子息の過去のお働きによるも
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