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稀代の投資家、帝国貴族の3男坊に転生
36話:ゾフィーとの出会い
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ば出来そうだったので、本当は幼年学校卒で任官し、要塞完成とともに退役を狙っていたのです。お恥ずかしい話なので同期を含め身近なものにも話してはいなかったのですが。」

代々軍人を勤めてきた武門の家柄の生まれた方でもそういうお悩みをもつのかと驚かされた。幼年学校から10年間首席を通した件では......。

「私の首席は、当然というか。幼少より装甲擲弾兵の有資格者にしごかれました。RC社の幹部であるケーフェンヒラー男爵にも色々と教えて頂いたのです。あの方は元情報参謀で大佐でしたからね。自分の首席よりも乳兄弟のパトリックが上位合格を取るために励んでくれたことがとても嬉しかったことを覚えています。」

と、ご自分の事より、乳兄弟の努力を喜ばれ......。

「レオの件ですか?お恥ずかしい話ですが、陛下にお力添え頂けたことが何より大きかったのです。後は幼いながら拙いなりに調べた事を信じて予算を出してくれた祖母の功績が大きいですね。せめてもの恩返しに、祖父の名にちなんだ銘々をお願いしましたが私だけで出来た功績ではないので、気恥ずかしい気持ちになります。」

今では祝い事には欠かせないレオの事もそのようにおっしゃるし......。

「捕虜交換の件ですか?あれは祖父の名誉の為にも必要なことでしたし、実際ご判断いただいたのは先帝陛下ですから。農奴の件も勅命を軽く考えた方々がいなければあそこまで大きな話にはならなかったでしょうし、私はきっかけになっただけですよ。」

などとまるで、自分は何もしていないかのような口ぶりだ。わたしはどうしても知ってほしい事だったので思わず少し大きめの声で言ってしまった。

「ザイトリッツ様。知っておいて欲しいのです。私はザイトリッツ様のご活躍を聞いて、領地経営の力になりたいと志を立ててこの道を選びました。少なくともザイトリッツ様は誰かの志に影響力を持つ方です。それはお忘れにならないでください。」

「ありがとうございます。リューデリッツ伯との出会いも良きご縁の始まりでした。ゾフィー嬢ともそうでありたいと思っております。そういえば、RC社とご契約いただいた時、生産効率が他領に比べて高いと社内で話題になりました。もしやゾフィー嬢の功績でしょうか?」

などとお上手に返された。わずかな成果とは言え自分が励んだ事を褒められればうれしいし、御爺さまとおばあ様も嬉しそうだ。しばらく歓談すると試験場の案内を請われた。ここからは2人での行動になる。少し頬が熱い。

農業試験場は部外者が見学してもそこまで見所があるのか不安だったが、ザイトリッツ様は農学の素養もあるようだ。そこで、彼の最初の領地経営への提案が当時の最新論文を元にした穀物の増産だったことを思い出した。思わず失念していた。

「用地がかなり必要だったため
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