65.家族団欒って良いよね。出来れば邪魔しないでほしい。
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<グランバニア城>
翌朝、家族揃って朝食を食べていると、オジロンが割り込んできた。
お前バカなの?
ちょっとは空気読めよ!
「家族団欒のとこすまんな!」
分かってるなら来るなよ!
「いえ…オジロン様も、一緒にいかがですか?」
「おぉ!ビアンカ殿…忝ない。では、お言葉に甘えて」
社交辞令だっつ〜の!
気付よ!
「それで…何時…出立するつもりだ?」
………何が?
「ふん!隠さなくても良い!マーサ殿の事、全て聞いておる。また、王の職務を放り出して、魔界へ赴くのだろう!」
あぁ…そう言えば格好つけて行くって言っちゃたな…
えー…魔界になんて行きたくねぇーよー!
よし。
今回はオジロンの言う事を聞こう。
『いい加減、王の勤めを全うしろ!』って言ってきたら、素直に受け入れよう!
「私は10年もの間、国王不在を支えてきた!」
うんうん…もう、我慢の限度だよね!
「だがしかし、もう少しぐらい我慢しても良かろう。必ずマーサ殿を連れ帰るのだぞ!」
え!?
違うよ!
違う違う!
台詞が違う!?
「あ、あの… (バン!)!?」
魔界行きを拒否ろうとした時、突然部屋のドアが騒がしく開く!
ドリスを始め、みんながなだれ込んでくる。
「リュカ、今度こそ連れて行ってもらうわよ!」
「リュカ様。私もご一緒しますぞ!亡きパパス様のご遺志を遂げましょう!」
みんなが口々に随行を表明する…
勝手だなぁ…
今更『格好つけてました。本当は行きたくないです』なんて言えねぇー…
どうすんべ…
取り敢えず時間を稼がねば…
「みんな、落ち着いて!」
一同は静まり、俺を見つめる。
うっ…そんな目で見るな!
「と、ともかく…直ぐさま赴くつもりはない。休息は必要だよ」
「休息…ですか…?具体的には?」
え、具体的に…!?
「………うん。1週間、仕事も戦いも忘れて、ゆっくり過ごしてよ。ピピンやドリスなんかは家族と共に過ごす事!これは命令です!」
「リュカ様はどうなさるのですか?」
うーん…どうしよう…
そうだ!
「僕は…ビアンカ、ティミー、ポピーと一緒に家族だけで、山奥の村やラインハットへ家族が揃った事を告げに行ってくる。この間挨拶に行ってから、大分時間も経過してるからね。サンチョには悪いけど家族団欒を邪魔しないで」
「は…はぁ…仕方ありません…」
「サンチョもシスター・レミでも誘って、デートでもしてなよ」
お!?
珍しくサンチョが顔を赤くしたぞ!
脈ありか!?
こうやって、郷愁を誘い家族の元を離れにくくすれば、魔界行きをみんなが断念するかもしれない。
そうすれば『やっぱ行くの止めよう』的な流れになるかも…
その為にもお義父さん、ヘンリー、利用させてもらうぞ!
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