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稀代の投資家、帝国貴族の3男坊に転生
21話:幼年学校の日々
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トした。縁はどこでつながるか分からないもので、直属の上司は紳士ことメルカッツ少佐らしい。腹黒は要領が良い方だが、メルカッツ先輩は堅物ほどではないにしてもきっちりされた方だ。配属先としては良いと言えるだろう。

長兄のローベルトは順調にキャリアを重ねており、今月から少佐に昇進した。軍部貴族の嫡男とは言え、23歳で少佐はかなりのスピード昇進だ。若手の注目株って所だろう。そろそろ婚約の話も出そうだ。こういう物はある程度固まるまで当人に知らさせることは無いが、父上と母上の所に打診は結構な数来ているはずだ。まあ、門閥貴族でなければどこと縁を結ぼうが俺は気にしないが。

婚約と言えば我らが兄貴ことフリードリヒ殿下が結婚した。お相手は派閥形成からは一歩引いている公爵家の令嬢らしい。俺の立場で公式に会うのは難しいが、ワインの知識はそれなりにあるらしい。レオも嗜みながら、一緒に美食談義を楽しんでいると手紙に書いてあった。後継者争いから下りた事を考えても、兄貴は皇族に生まれるより領地持ちの伯爵家とかに生まれれば幸せだったのだろうとたまに思う。

旨い酒や旨い食材を自分で創って、親しい仲間や領民と分かち合う。そんなことを本当はやりたかったのだろう。結婚祝いにレオの長期熟成版444年物を贈った。兄貴もかなり気に入ったらしく、フリードリヒコレクションを立ち上げて販売する準備も始めたらしい。少しでもやりたかった事の一部をお任せできていればいいが。

「ではフランツ先輩。我々はこれで。日課がございますので。」

フランツ先輩はではまた!というと離れて行った。俺たちの日課、それはフランツ教官に課されている軍事教練だ。幼年学校のカリキュラムにも肉体鍛錬があるが、あくまで必要最低限。追加で作成されたメニューをこなさないと身体が鈍るし、それがバレたときに一体どんなメニューを課されるか分からない。

そんなリスクを冒すほど俺たちは勇猛ではない。当初はパトリックと2人でしていたがテオドールもいつの間にか参加するようになったし、その他の連中も混ざることがある。これもある意味同期や後輩との交流の場になっているので感謝すべきなのだろうが。

俺たちは毎日走っているランニングコースを走り始めた。
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