62.一つの事に気を取られると、周りが見えなくなる。よくあるよね。
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<大神殿>
ティミーSIDE
僕達はマスタードラゴン様の背に乗ってセントベレス山頂上の光の教団大神殿に降り立った。
空気が薄い…
僕もポピーもあまり動いていないのに、肩で息をしている。
「私はここで待機してよう」
「そだね。プサンのその身体じゃ建物内に入れないもんね」
プサンじゃなくてマスタードラゴン様なんだけど…お父さんは気にしてない…
マスタードラゴン様と別れ神殿内へ入ると、入口すぐの脇の部屋から懐かしい感じが漂ってきた…
「お父さん…こっちの部屋に何かある」
僕はそう声をかけると勝手に部屋へ入っていった。
部屋の中には神々しい鎧が飾ってある。
間違いない…『天空の鎧』だ!
僕はふらふらと天空の鎧に近付いていく…すると突然頭上で金属がぶつかり合う音が響いた!
僕の頭の上に、この部屋を警備しているシュプリンガーの剣が振り下ろされ、それをお父さんが防いでくれていた…
僕はシュプリンガーの存在に全然気付いていなかった!
ピピンとピエールの連撃によってシュプリンガーはあっさり倒さる。
「ちょっと、ティミー!油断しすぎよ!ここはもう敵地なんだからね!」
ポピーに怒られてしまった…
お父さんは優しい笑顔で頭を撫でてくれる…まだまだ子供だって意味だろうか…
悔しいなぁ…
ティミーSIDE END
<大神殿>
ポピーSIDE
大神殿の礼拝の間は異様な雰囲気に包まれていた。
奥にある祭壇に向かい、大勢の信者が祈りを捧げている…
でもみんな変!
生気を失った様な光のない瞳で操り人形みたいにお祈りをしている。
祭壇を見ると黒髪の教祖らしき女性が、更に奥のご神体の様な石像に祈りを捧げている。
「あれは…まさか…」
お父さんは独り言の様に囁くと、信者の群れを掻き分けて祭壇まで歩き出した。
私達は慌ててお父さんの後に続く!
「ちょ、リュカ!待ちなさい!迂闊に行動したら危険よ!」
ドリスは後を追いながら呼び止めるが、お父さんは振り向きもせずひたすら進み続ける。
祭壇に辿り着いたお父さんは、何かに取り憑かれた様に前だけを見ている…私達の声が聞こえてない様だ…
教祖らしき女性が、こちらへ振り返り微笑みながら手を差し伸べる。
「リュカ…一目で貴方だと分かりましたよ。私はマーサ…貴方の母です」
母!?マーサ!?
目の前の女性は自身をマーサだと名乗った…お父さんの母だと告げた!
違う気がする…理由は分からないけどイヤな感じのする女性だ…
お父さんは一歩ずつ前に進む…マーサと名乗る女性の方へ…
「お前には苦労をかけましたね。パパスに…あんな男に任せたのが間違いです。本当にごめんなさい」
お父さんは何も反応しない…パパスお祖父様の悪口を言われたのに!
お父さ
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