暁 〜小説投稿サイト〜
稀代の投資家、帝国貴族の3男坊に転生
15話:交渉と領地の進捗
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れば、穀物だけでなく各種鉱石も交易商材の候補になる。なので、事前に軍に対して、交渉を持ち掛けていた訳だ。

「建設費まで半分負担は、喜ばしい話ではありませんね。運営費半分負担は雇用にもつながりますし悪くない話ですが......。」

「そうですね。悪くない条件ですが、この手の話で建設費負担まで求められるというのは前例がありません。」

まあ軍としても設備は新設したいが、予算は限られているだろうし身内で羽振りがいいのがいるから、少し援助してくれって所だろう。ただ、こちらだけが満額回答をする理由もない。

「おばあ様、軍としても父上を財力の面でも当てにしているという所でしょう。この際、このお話を逆手にとっては如何でしょうか?」

おばあ様は、考え込んでいる様子だ。

「この際ですが、建設費の負担を了承する代わりに輸送船だけでなく戦艦と巡洋艦の造船ドックも作ってもらいましょう。どうせ警備で巡洋艦はつけなければなりませんし、戦艦と
巡洋艦のドックも出来れば、必要とされる資材も桁が変わります。造船を含めた重工業は、利権がガチガチに固まっていますが、それを得られるのであれば安い買い物でしょう。」

「利権を独占している方々からの報復が心配です。その辺りはどう想定していますか?」

「利権を独占したいなら、建設費を半分負担すればいいだけです。後はそれぞれのご判断でしょう。」

ここまで話すと、おばあ様は何か納得する様子だった。言ってみれば軍としても既存の利権を引き剥がしたいのだと思う。建設費を半分出すなら利権を維持できるが強欲な連中にとっては当たり前だったことに金を払えと言われるわけだ。

まあ、無理だろうな。

軍は口実と、辺境地の入口にそれなりの生産拠点をもてるしルントシュテット家としては、雇用と交易の面で旨味があるからそれなりの初期投資は容認できるが、コストをかけずに利権を得ていた連中は、利権を維持するための追加負担などとても判断出来ないだろう。

「おばあ様、軍には建設費の負担を条件に、戦艦・巡洋艦の造船ドックを造らせましょう。重工業を我が領で立ち上げられるのです。それに比べれば安い買い物ですから、これで話を進めましょう。」

出費はでかいがこれが動き出したら、辺境領主たちにはかなり強気に交渉できる。辺境領主たちはビジネスパートナーの予備軍な訳なのでそれなりに優遇すればいい。

しかしなあ、多少政務に通じてて、名代として他家と交渉ができる人材が欲しいな。対外的には俺は3男でまだ子供だし、おばあ様に辺境領主たちと交渉してもらうのも限界があるし。
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