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稀代の投資家、帝国貴族の3男坊に転生
4話:現状確認
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始めると結構すごいことが判明した。夢中になっていたので、しばらくしてローゼが用意した食事も食べながら作業を進めた。

ローゼには行儀云々と注意されたが、夢中だったので聞き流してしまった。若干不機嫌な様子だったし、まずい食事を用意されても困る。明日にでも機嫌を取っておくことにしよう。

ただ、俺が置かれた状況を彼女が知れば夢中になるのも無理はないと思うに違いない。まあ、彼女にそれを話すことは無いだろうが。

だいぶ落ち着いたが、俺の記憶には伯爵家3男としての記憶と成功したビジネスマンとしての記憶がある。

ビジネスマンとしての記憶を辿ると、西暦2000前後に独自の文化を持つ島国を拠点にしていた。株の売買で稼いだ資金を基に、企業再生を始めた。

結婚はしていたが、再生屋は恨まれることも多い。逆恨みで家族に何かあっても困るから、再生屋を始めた頃に離婚した。嫁にはお金はもう十分稼いだのだから離婚する位なら再生屋を辞めろと言われたが、俺はお金が好きなのではなくお金儲けが好きだった。

自分の資金で企業を再生する。
成功すれば大儲けだが、失敗したら大金を失う。

明確でわかりやすかったし、成果は数字として明確に出る。誰に評価される必要もない。自分にも他人にもいくら儲けたかは明確だ。これ以上に自分の承認要求を満たしてくれるモノはなかった。

とはいえ最後がどこかのビルに商談に向かう所で終わっている事を考えると、急な病死が恨まれて殺されたかだろう。

反省点を上げるとすれば、自分本位に生き過ぎた事だろう。再建プランがうまくいかなければ容赦なく清算したし、不採算部門はバッサリと切った。

企業再生は確かにできたが、俺のせいで不幸になった人間も多いだろう。ある意味、最後はその報いをうけた訳だ。この辺りは、伯爵家3男としての今生では気を付けることにしよう。

そんな事より現状確認だ。俺は初めて家族そろって年末年始を過ごすべくオーディンへ来た。5歳になるまでは星間移動が身体に与える影響を考えて領地から出ることは無かったわけだ。

そして今日は宇歴752年、帝国歴443年、1月5日な訳だが西暦にすると3550年前後だ。

かなりの未来に来たわけだが、星間移動が実用化されている以外は、はっきり言って時代が進んでいるとは思えない。

記憶がはっきりしないが領地であるシャンタウ星域では農業が人力を主軸としていたし、食文化も無駄に食器類は豪勢だが、素朴なものが多かった。

そのあたりも資料を読むうちに理解できた。そもそもの地球文化が限られたエリアの物しか伝わっていないのだ。

この時間軸では冷戦構造のあと、核戦争がおこり、一世紀近い時を経て、比較的被害が少なかった豪州を中心に統一国家が出来たらしい。

俺の記憶の時間軸では
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