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渦巻く滄海 紅き空 【下】
十五 始まりの傀儡
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蛇丸のことを吐かせてやる…!」




いのの決意を込めた強い眼光を、サソリは柳に風と受け流す。
そうして、涼しい顔で「そろそろ、お喋りはお仕舞いにしようぜ」と軽く首を捻らせた。紅い髪がさらっと靡く。




「さて、やるか」


瞬間、三代目風影がいのに迫る。
生気のない瞳が、獲物を捉えた。チヨが咄嗟に指をくゆらせる。
感情の無い真顔で、サソリはひゅうっと口笛を吹いた。


「やるなァ、ばばあ」


残骸と化したはずの【白秘技・十機近松の集】。寸前破壊されたばかりの己の傀儡人形を防御壁に利用する。


いのを守ったチヨに賛辞を送ったサソリは、そのまま流れるように手首を軽く振る。指先のチャクラ糸が十字を切った。
すると、三代目風影の腕のカラクリがひとつ、ひとつ、開いていく。腕に仕込まれた札が露わになったのを一目見るなり、チヨは慌てて、いのに繋げたチャクラ糸を引き戻した。


「おせぇよ!!」



サソリの指の動きに従い、開放された札から数多の腕が出現する。
三代目風影の傀儡の腕から、同じような腕が何本も何本も重なって、束になっていく。

傀儡の腕に仕込まれたその手の数は、およそ千。



【千手操武】の名の通り、数多の腕がいのに向かって伸びてくる。束になっているそれはもはや、巨大な大木の幹のようだ。

しかしながら、やはり先端は、手の指が密集していた。チヨが咄嗟にチャクラ糸を操る。
重圧感を放つ大木の如き腕が真上から襲い掛かってくるのを、いのは見た。






「──いのっ」

地面に突き刺さる勢いで殺到する。土煙を濛々とあげるその先に向かって、チヨは叫んだ。
まともに、千本もの腕の猛攻を受けたいのは、黒煙の中、姿が見えない。
いのの身体を操るチャクラ糸を構えたまま、チヨは眼を凝らす。


煙が晴れていくにつれ、全貌になっていくのは、千本の腕で形作られた檻。

地面に深々と突き刺さっているその腕に阻まれて、いのの姿は見えない。
腕の檻に閉じ込められたいのの安否を、チヨは気にする。
その一方で、三代目風影を操り、【千手操武】を披露したサソリは、ぴくりと指を小刻みに揺らした。舌打ちする。




(──仕損じたか。運の良い小娘だ)

傀儡人形の反応から、獲物はまだ死んでいない。
指の感触だけで、いのの無事を確認したサソリは眉を顰める。

同様に、いのに結び付けたチャクラ糸から、チヨも彼女の生存を確かめた。
ほっと息をつく間もなく、サソリの次なる一手に警戒する。




サソリが小指を軽く折った。先手を打たれる前に回収せんと、チヨはチャクラ糸を引っ張り上げる。
チヨの指の動きに従って、千本もの腕の攻撃を上手
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