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滅びることのない絆
第二章
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「それでもね」
「今どの小隊も大変だから」
「私達のところまで手が回らないっていうし」
「何かヘイン少佐のおられる小隊が近くにおられるそうだけれど」
「あの人が助けに来られるとか」
「絶対にないわね」
 ヘインについては皆こう思った。
「助けられないとか捨て石にした方が戦局に有利と思ったら」
「もう見捨てるわよね」
「そうした人よね」
「絶対にそうよ」
「それならもう」
「私達は自分で何とかするしかないわね」
 生きる、何としてもそうする為にはというのだ。
「じゃあね」
「ビルの出入り口から一気に出て」
「全員で攻撃しつつ駆けて」
「一点突破で敵の囲み突破して」
「そうして味方のところまで駆けましょう」
「何人生き残るかわからないけれど」
 正直全滅覚悟だ、この状況でそうした戦術を執ることは。
 だがそれでもだ、少しでも生き残る者がいればと思い彼女達はそうすることを決めた。そうしてだった。
 今まさに突破せんとビルの入り口に集まった時にだった。
 急にだ、ビルの周りから激しい銃音と悲鳴が挙がった、若い薔女達がその音に何かと思い周りの敵達を見ると。
 ヘインが自分の部隊を率いてビルを囲む薔女狩りの部隊に攻撃を仕掛けていた、自身も武器や花言葉で戦っている。
「友軍を助けなさい!」
 こう言いつつだ、自らが先頭になって戦ってだ。 
 敵を退けて若い薔女達の部隊を救出した、若い薔女達はヘレンに助けられたがこのことに対してだ。
 信じられないといった顔で呆然となった、だが大佐が彼女達に言った。
「怖そうな外見だけれど」
「味方はですか」
「助けてくれるんですか」
「そうした人ですか」
「味方はどんな状況でもよ」 
 例えどれだけ絶望的な状況にあってもというのだ。
「救援に向かってそしてね」
「助けてきた」
「そうですか」
「あの人はそうされてきたんですか」
「そうよ、実は誰よりも仲間思いで」
 そしてというのだ。
「絆を大事にする人なのよ」
「絆、それをですか」
「一緒に戦う戦友の絆も」
「それを大事にされる人ですか」
「誰よりもね。少佐は絶対に誰も見捨てないのよ」
 それがヘインだというのだ。
「あまり喋ることもしないけれど」
「実はですか」
「そうした人だったんですね」
「絆を大事にされていて」
「仲間を大事にする」
「そうよ。だから貴女達も助けたのよ」
 若い薔女達もというのだ。
「部隊を率いてね」
「そうでしたか」
「最初お会いして怖いと思っていましたけれど」
「本当はそうした人だったんですね」
「そうだったんですね」
「そうよ。じゃあ今からね」 
 戦闘は終わっている、薔女達の勝利だった。薔女狩りの者達は多くの犠牲を出して街から撤退している
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