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虹にのらなかった男
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「場所を移そう。邪魔になる」

ヴェルツがそう言い、それについていく。

「あ、テムさんはここで大人しくしててください」

ヴェルツに連れられて来たのはMSデッキ…

「おい怪我人。あんまり出歩くな」

「ここは宇宙だ。腕一本あれば移動できる」

「そうか…わるかったな」

ヴェルツの怪我は、俺の指示のせいでもある。

「おいおい、女子二人守っての怪我なら一生じまんできるんだぜ?
それに、もしお前があの指示を出してなけりゃ、俺は今頃サイド7で肉片になってるさ」

「そう言って貰えると、ずいぶんと楽だ」

「お前はまだ子供なんだから。気にすんなよ」

そうはいかない。

年は13だが立場というものがある。

「でも、俺は連邦の技術士官だ」

「なに、責任はイシカワ大佐が取るさ」

あれ?そういえばイシカワ大佐は…?

「そういえば大佐は?」

「死んではいないが重症だ。医学生のお嬢ちゃんが言うには全治七ヶ月だとよ」

七ヶ月…ギリギリ戦争は終わってるな。

「お前はどうなんだ?」

「全治四ヶ月。肋骨二本と腕の粉砕骨折」

「粉砕骨折!? おまっ…!?」

「安心しろ。モルヒネ打ってもらった」

「お前もテムさんの隣で大人しくしてろ!」

ぐいぐいとヴェルツを医務室へ押し戻し、デッキへ戻る。

まったく、軍人ってのはこれだから…

アブルホールの整備をしようと思い、機体にとりつく。

「あ、副所長」

「どうしたアオ?」

「ちょっとウェポンコンテナの事で問題があるっす」

ふむ?

ウェポンコンテナ:ビームキャノンは現在アブルホールから外されている。

アオに言われてビームキャノンが置いてある場所まで行く。

数人の技術士官がビームキャノンを整備していた。

「なんだ?壊れたか?」

「いえ、壊れてはないっす、でも砲身の劣化が理論値より大くて…」

「撃てないのか?」

「いえ…でも拡散モードの使用は避けて欲しいっす」

ふむ…拡散モードねぇ…。

「普通に撃つだけならいいのか?」

「はい」

これは困った事になった。

拡散モードはミサイルの迎撃用として作ったのだが…

「じゃぁ俺ってマニューバでミサイル避けなきゃいけないの?」

「お気持ち察するっす」

心の中で中指を立てる。

「チャフで対応するしかないか…」

ただチャフだと熱源探知以外を欺けない。

まぁ、今の時代熱源探知いがいほぼ使われてないからいいが…不安だ。

「あ、それとアブルホールもう一機くらいは組めそうっすけどどうしますか?」

「なに?無事なのか?」

「ええ、アブルホール『だけ
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