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【シェアワールド】ユア・ブラッド・マインー新約・魔鉄文明英雄譚ー
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魔鉄

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 ブラッド・スティール。

 いつ頃からかこの世界に顕れた、奇妙な金属。見た目や手触りは鉄に似ている他、加工していない状態における表面の組成は鉄のそれに似る。
 元々加工技術はラバルナ帝国だけが所有していたが、征服期に各国の技術者に継承、ブラッド・カタストロフを契機に彼らが母国に帰還したことで、加工技術は全世界に流出、結果として『魔鉄器時代』がやって来た。

 研究の結果、その正体は『三層世界論』における霊質界(アストラル)の物質が、なんらかの理由で物質界に顕現したものであると判明している。
 いくつか存在する、『アストラルにしかない存在』のうちの一つ。マテリアルからは干渉できない、アストラルの存在。顕現に際して得ているマテリアル・ボディは仮初のモノであり、「人間のアストラル・ボディ」などと異なりオーバードイメージによる干渉を受け付け、改変させることが可能である。

 人間のイメージに呼応して形や性質を変えるという特性があり、例えば『発光する』という特性を与えられた魔鉄は光るようになる。こういった特性を付与する技術、即ち『魔鉄加工』はオーバードイメージ体質の人間にしかできないが、加工の段階で一般の人間でも操作ができるようにすることは可能。ただし、「一般人が魔鉄を加工できる」という特性だけは付与することができない。原因は不明である。

 三層世界論における『下位世界から上位世界への干渉不可能性』によって、物質界の法則に異常に強い。そのため酸化やほかの物質との化合は起こらない。が、それらを可能とする性質であったり、誕生すると推測される合金に似た性質を付与することで、『合金に似た何か』を生成することは可能である。

 元来、「産出はするが使い道のない物質」「邪魔者」「物質界の悪魔」と言った意味合いで『魔鉄』の名が名付けられていた。
 2030年代後期に、アメリカで行われた実験が失敗、爆発を起こして研究所を崩壊させた、『血塗られた金属事件』を経て、「人々の命を奪い去った魔の鉄」との意味を込めて正式に『魔鉄』と命名された経緯がある。

 現在は研究が進んだ結果、上記のような暴発の可能性は極小になっているため、原則として起こらないと考えてよい。どうやら魔鉄加工、または疑似的な鉄脈術の発動が失敗したことによる現象だったようだ。
 これらの結果、魔鉄暦30年現在では「魔法の鉄」程度の意味に落ち着いている。
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