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人徳?いいえモフ徳です。
十二匹め
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昼食後。

「よしシラヌイ、お前ここに住め」

「…………可哀想に。錬金術のやり過ぎで水銀を過剰摂取しちゃったんだね…。
大丈夫。頭に水銀が回ってボーデンがくるくるパッパッパーのお馬鹿さんになっても僕は変わらず接してあげるよ」

「お前は一々罵倒しないと話せねぇのか!?」

「え…? じゃぁボーデンってショタコン?
貞操の危機を感じるからやめとくよ…」

「だっ誰がショタコンだ!」

「じゃぁケモナー? 流石にひくよ?」

「ズーフィリアではない!」

なおこの国は狐を聖獣としており狐を傷つければ最悪死刑である。

「いや、お前家出中なんだろ?だったらここに住めよ」

「あ、なるほどさっきのパンケーキで餌付けされちゃったんだねボーデンちゃん。
男口調なのに意外と可愛いところあるんだね」

「ちっ、ちげーし!」

「図星乙〜」

ころころと笑う子狐にボーデンは調子を崩されっぱなしだった。

「じゃぁ、何日かお世話になろうかな。
よろしくね、ボーデン」

「お、おう」

「なにキョドってんの?僕に惚れた?」

「寝言は寝て言え」

「そ、おやすみなさい」

シラヌイは獣化し、椅子の上でくぅくぅと眠り始めた。

「いや…食って寝るとか…子供かよ…
ってまだ子供か…」

ボーデンはポケットからシラヌイのステータスプレートを取り出した。

名 シラヌイ・シュリッセル
性別 男
種族 ルナール
年齢 5
クラス 未定
level 1
スキル エナジードレイン
円環の祝福
リインカーネイター
フォクシネイト
ケミカリスト

「何なんだろーなぁ…このスキル群…。
『リインカーネイター』とか『ケミカリスト』とか聞いた事ねぇスキルだ…
つか『円環の祝福』とか神官しかもってねぇ筈なんだが…」

ボーデンはシラヌイのステータスプレートをしばらく眺めてから、席を立った。

「さて…片付けるか…」




食器を片付け終えたボーデンは寝ているシラヌイを抱き抱え、アトリエへ。

膝の上にシラヌイを載せて、撫で回しながらポーションを製作し始めた。

「はぁ…なんか乗らねぇなぁ…」

この女、金は腐るほどあるのだ。

それをなぜポーションなんて売っているかと言えば、完全な趣味である。

「…………寝るか」

ボーデンは片手にシラヌイを抱えて、アトリエの奥の自室へと向かった。

ガチャリとドアを開けて、ベッドへ。

そっとシラヌイを下ろし、着ていたローブを脱ぐ。

「あー…これ着るのやめよっかなぁ…」
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