暁 〜小説投稿サイト〜
ドリトル先生と奇麗な薔薇園
第二幕その二
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
「それが今年は定年で辞める人が多く」
「定年退職ですか」
「しかもここ最近研修や出張に出る職員が多く」
「そのこともあってですか」
「慢性的な人手不足でして」
「だからですか」
「虫の駆除まで手が回っていないのです」
 そうした事情だというのです。
「本当に例年は普通にやっていけています」
「人手が足りていますか」
「海外から来てくれている人もいますし」
 植物園の勤務にです。
「このことは大学付属の他の施設と同じです」
「動物園や水族館と同じですね」
「そうです、博物館や美術館もですね」
 他には鉄道博物館や図書館もあります、八条大学の広大な敷地の中には実に沢山の施設があるのです。
「本来は人手が足りていますが」
「植物園は今年はですか」
「そうした事情で」
「人手が足りなくて」
「はい」
 そのせいでというのです。
「虫の駆除までは人手が回っていません」
「それであの状況ですが」
「深刻な状況にまで至っていないと思いますが」
「そうですね」
 先生はチョコバーを食べつつ園長先生に応えました。
「僕もそこまではです」
「至っていないとですね」
「思います」
「そこまでは出来ています」
 人手不足の中でもです。
「ですが植物園全体として見まして」
「無視出来ないレベルですね」
「そうです」
 そうした状況だというのです。
「どうにも」
「だからですね」
「私としても何とかしていたいと思っていまして」
「それで僕の申し出にですか」
「まさに渡りに舟です」
 こう考えているというのです。
「本当に」
「そうだったのですか」
「それでなのですが」
「僕の知恵をですか」
「借りたいのですが」
「はい、それではです」
 先生は園長さんにお話しました。
「まずやはり避けるべきはです」
「農薬ですね」
「そうです、どうしても植物や人体に影響が出ます」
「そこが問題ですね」
「特に植物園は温室が多いので」
 園長さんにもこのことをお話するのでした。
「ですから」
「農薬が室内に籠りますので」
 園長さんも応えて言います。
「よくないですね」
「はい、ですから」
「それで、ですね」
「農薬は使わずに」
「他の方法でいきましょう」
「他のですね」
「今それを考えています」
 こう園長さんにお話するのでした。
「必ずいい方法がある筈ですから」
「この問題を解決するにあたっての」
「はい、ですから」
 それ故にというのです。
「今考えています」
「妙案か名案か」
「そうではないかも知れないです」
 先生は園長さんの今のお言葉には謙遜して返しました。
「ですが必ずです」
「出してくれますね」
「はい、そうします」
 こう約束するので
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ