第2章 項羽と劉邦、あと田忠 〜虞兮虞兮、奈若何〜
第3話 憂国少女、章邯との出会い
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$月△日
インドでの修行は有意義だった。解脱したお陰か、色々とアワーアップしたしね。
ただ、布教するつもりはない。
中華ではまだ仏教徒はほとんどいない。俺が仏教徒だから個人的なつながりで入信した物好きもいたが、それだけだ。
仏教を布教してしまうと、色々と統治者と軋轢が生まれるだろうしね。
日本人気質が抜けない俺としては、政教分離と信仰の自由は守りたいのである。
◆月◎日
お姫様が亡くなった。
戻りたいと心が悲鳴を上げていたけれど、あきらめた。
たぶん、俺はお尋ね者になっているだろう。お姫様の子どもたちに俺は、大層嫌われていたからな。
俺を疎む人間たちにあることないこと吹き込まれた挙句、俺はお姫様に取りいる悪党なのだとさ。
俺もお姫様もあまりの忙しさに育児を放ったらかしていたから、そのツケだろう。
※月■日
お姫様の死を悲しんで、俺は修行に逃げていた。
その後すぐに、陳勝と呉広とかいうやつが100万人規模の大反乱を起こしたと聞いた。
いてもたっても居られず、中華の大地へ向かう。
×月☆日
咸陽よ! 私は帰ってきた!!
▼月@日
お姫様の立派な墓は、警備が厳重で近づけなかった。
お姫様が死ぬ間際まで、俺に謝罪していたと聞いて、目がうるっときた。
心の中で詫びる。せめてもの償いとして、お姫様が大好きだったこの国を見守ろう。
俺には寿命などないのだから。
★月※日
民の噂話を集める。どうも秦の旗色はかなり悪いようだ。
趙高ら佞臣どもが宮中で実権を握っているせいで、効果的な対応がとれていない。
やつらは有能な将軍たちを皆処刑してしまったからだ。
俺と面識があって、好意的な人間が、ほとんどいなくなっている。
つまり、文武共に忠臣が消えたわけだ。
どうにかして、宮中の者に接触したいのだが……。
◇月×日
かつて楚に使えていた将軍周文が咸陽に迫っている。
彼女とは戦ったことがあるが、統率7武力7だった。
名将といってよい。が、かつての秦なら一蹴できただろう。
今の秦では無理だな。趙高のせいで、無能な将軍しか残っていない。
何とかしてやりたいが、俺一人ではどうしようもない。
@月■日
章邯という若者が、趙高に自分に反乱軍を討たせてほしいと直訴したらしい。
だが、皆あきらめムードだ。
彼女は、元々武官でさえなく少府という九卿の末席にいる官僚だからだ。
それでも、愛国心から名乗り出てくれたことが嬉しい。
ああ、お姫様が愛したこの国を俺もまた愛しているのだな。
%月※日
驚いた。何か助力できないかと、章邯を鑑定してみたのだが。
章邯
政治7 知略8 統率9 武力7 魅力8 忠義9
めっちゃ将軍向
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