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俺様勇者と武闘家日記
第1部
アリアハン〜誘いの洞窟
ナジミの塔
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 結局その日は宿に泊まり、次の日の朝早くユウリさんたちと落ち合い、アリアハンを出発した。
「遅い。一体何をやってたんだ」
 出発前、世界を救う勇者であるユウリさんは、不機嫌そうに町の入り口の前に立ち、一番遅れてきた私に向かってこう言った。
「勇者である俺を待たせるなんていい度胸してるな。ま、どうせ鈍くさそうなお前のことだ、間抜け面でのんきに眠りこけて寝坊したんだろ」
 ……これが昨日初めて会った人に言う台詞だろうか。
 確かに遅れてきたのは悪かったけど(意外にもシーラのほうが先に来ていた)、そこまで言われる筋合いはないと思う。まだユウリさんと知り合って日が浅いこともあり、無謀だとわかっていながらも、ついムキになって言い返してしまった。
「ね、寝坊なんかしてません!! いろいろ仕度とかしてたら夜中までかかっちゃったんです!!」
「普通俺の仲間になるのなら俺と会う前に準備をしておくもんだろ。これだから田舎娘は機転が利かないんだ」
 ……結局、あっけなく反撃を食らってしまった。
 そのあと町を出てからも「足が遅い」だの「ボケた顔してる」だのさんざん言われまくったあげく、反論も許さないのだからこちらとしてはたまったもんじゃない。ただ歩いてるだけでストレスがたまってしまいそうだった。
 その上なぜかシーラちゃんには何も文句を言わない。この差別は何なんだろう。
「あはははは〜!! ちょうちょだちょうちょ〜♪」
 ……ひょっとしたらただ単に文句を言っても無駄だからなのかもしれない。
「ねえ、シーラちゃん。あのさ、本当にユウリと一緒に旅しちゃっていいの?」
 ちょうちょに気を取られているシーラちゃんに私は尋ねた。
 シーラちゃんはこちらに気づき、きょとんとした顔でこちらを見ている。そのしぐさがすごくかわいい。
「うん♪ だってこの人、お酒いっぱい飲ませてくれるって言ったものvv」
「俺はそんなこと言った覚えはない!!」
 まー確かにそれ言ったのはルイーダさんだったけど……。
「でもさ、シーラちゃんどう見ても未成年のような気がするんだけど……。大丈夫なの?」
「うん♪ あたしこれでもおっきなタル5こぐらい一気に飲み干したことあるよvv でもぜんぜん平気だったvv」
 た、タル五個分……!!?? ってタルの入ったお酒がどのくらいかがわからないっ……!
「もしかしてシーラちゃんて私より年上?」
「そんなこと今はどうでもいいだろ。それより、見えてきたぞ」
 ふと街道の先を見ると、ユウリのいうとおり村のようなものが見える。
「あれが、レーベの村だ」


 レーベの村は、アリアハンと違って穏やかな空気の似合う、なんとものんびりした村だった。なんとなく私が育った村に似ている。
 ユウリが言うには、この村にいる老人が『魔法の玉』とい
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