暁 〜小説投稿サイト〜
蒼穹のカンヘル
十二枚目
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ん」

俺はカンヘルの先端に光力刃をだし腕に降りおろ…せなかった。

「何考えてんだ!バカな事はやめろ!」

アザゼルに止められたからだ。

「だから『実演』だって!」

「それでもだ!ちょっと待ってろ!」

と言ってアザゼルは懐から一本の針を出した。

「これで指を刺せ、それ以上の事は却下だ」

「はいはい」

俺は針で自分の指を突いた、じわりと血が滲む…

「?」

「治らねぇな、やっぱり…何してんだ篝!」

俺は針を腕に刺し…腕を裂いた。

「バカ野郎が!待っ…」

【リバース】

硝子の割れるような音と共に腕が結晶に覆われた。

パリィィンと結晶が砕けた後には傷一つ無い腕が有った。

「これが【リバース】。
セルピヌスが言うには俺は不死身らしい。
今の俺にとって生と死は同価値にして同じもの…とセルピヌスは言ってた」

「そう、か…それがお前の…」

「力の一つ、後七つある」

あ、黙り込んじゃった。

「………………俺もう何があっても驚かねぇ自信あるぞ」

失礼な、俺を人外みた…あ、人外か。

「て言うか機材でデータ録らなくていいの?」

「あ、ああ、そうだな」

とアザゼルは機材の準備を始めた。

「篝、準備終わったぞ。
ただし【リバース】は無しだ」

「はいはい、でどれからやればいい?」

「選択肢をくれ」

あ、言ってなかったな…

「防壁の【ウォール】。
転移の【ロスト】。
空間をねじ曲げ攻撃する【ワーム】。
生物以外を引き寄せる【アポート】。
あらゆる物を侵食、糧とする【同化】。
あらゆる力を強化する【アクセル】。
思考速度を上げる【ブレイン】。
そして不死身をもたらす【リバース】」

「トゥルーロンギヌス並みじゃねぇか!?」

何があっても驚かねぇんじゃねぇのかよ…

「じゃぁまず【ウォール】を」

とアザゼルが言った。

「OK」

「よし……いいぞ」

俺はカンヘルを握りしめ障壁をイメージした。

【ウォール】

漆黒の、全ての光を呑み込まんとする壁が現れた。

「そのまま保持してくれ」

「OK」

アザゼルはカタカタとキーボードを叩いている。

「ん?は?どういうことだ?」

いや、お前がどうしたよ。

「どうしたのさアザゼル?」

「篝、その防壁について何かきいてないか?」

「なんで?」

「データがおかしい。異常だ。
その防壁は面であって面じゃない。
線だ、それも線の集合ではなく線そのものだ」

面のように見える線?でも面だろ?う〜ん、そうだ!

「多分【ワーム】と【ロスト】を調べたら分かるよ」


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