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おぢばにおかえり
5部分:第二話 神殿その二
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たんだ」
 主任先生はまたにこやかに笑って私に言いました。
「本当にね。急に信者の方々が来られて」
「はあ」
「いや、阿波野君だけじゃ彼が苦労するなと思ったら。中村さんを推薦してくれて」
 えっ!?今の言葉は聞き捨てなりませんでした。
「悪いけれど頼むね。私が帰るまでの間」
「わかりました」
 ジロリと新一君の方を見て答えます。何かすっごい腑に落ちません。
「それじゃあね」
「はい」
「行ってらっしゃい」
 新一君と私で先生を見送ります。その時お孫さん達と一緒になりました。
 教祖殿から祖霊殿に行く廊下で。私は新一君に対して言いました。私は小さいお孫さんの一人の手を引いています。新一君は二人です。
「ちょっと」
「あのさ、先輩」
 私が言おうとしたらその前に言ってきました。
「ちょっと聞きたいんだけれど」
「こうしていると俺達あれだよね」
「人の話は聞きなさい」
 ムッとして言ってやりました。いつもいつも。
「聞きたいことがあるんだけれど」
「家族みたいだよね。子供の多い若夫婦」
「なっ」
 それを聞いて思わず声が詰まりました。いきなり何を言うのって感じです。


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