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おぢばにおかえり
15部分:第三話 高校生と大学生その七
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葉をかけました。
「赤だなんて。やっぱり派手にならない方が」
「面白くないなあ、そんなの」
「そもそも新一君の服ってあれよ」
 実は彼の私服を見たのはこれがはじめてじゃありません。何度かあるんですがどれも。
「派手過ぎるのよ。青いコートに白いシャツに赤いマフラーとか」
「それよかったでしょ」
「遠くからでもわかったわよ。何処にあんな服あったのよ」
 よく考えたらフランスの国旗の色です。最初見た時はびっくりしました。
「いや、普通にユニクロで」
「ないわよ、あんなの」
 しかもその組み合わせは。有り得なかったです。
「とても。それで何でここに来たの?」
「ここに来た理由?」
「そうよ。何かいつも来てるけれど今日のは何?」
「先輩を見に」
「帰りなさい」
 速攻でこの言葉が出ました。
「何考えてるのよ」
「何って駄目?」
「全く。何を言い出すのかと思ったら」
 悪い冗談です。いつもの。
「ふざけていないで学校に戻ったら?今日平日じゃない」
「いや、今日は午前で終わりだし」
「家に帰ったら?」
 それならそれでこう言い返します。大体いっつも遊んでばかりですし。
「それでゲームでもしていなさいよ」
「それだったら詰所でもできるし。まあ特にさ」
「ああ言えばこう言うね、本当に」
 いつものことですが。全く困った子です。

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