猫娘と入学編
NO.004 修行と日常生活の苦難(後篇)
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何事も勉学にも力を入れて修行と両立をしないといけない。
そうでないと試験でえらい目に遭うよ?とはオールマイトの言葉である。
だから出久はいつも通り……いつも通り?学校へと通う。
しかし残り一年にも満たない中学生活で今更女子制服などを買う事などお金の無駄とも言う。
だから出久は少し胸が苦しい思いをしながらも男子制服を着て通うことにした。
先生達にもその旨は伝えてあるので大丈夫である。
しかし、出久は良くてもクラスメイト達にしてみれば驚愕の事だったようであり、出久が教室に入るなり奇異な視線を浴びせるのはまぁ仕方がない事なのである。
今まで無個性として下位に見てきた出久がいきなり個性を会得して、しかも女体化したという事に一同は付いていけない。
結果、特に親しいわけでもなく仲が良いわけでもないので遠巻きに見ているだけに留まっているのが現状。
今までと特に変わりはないからいじめが起きないだけマシだと出久は思うことにした。
それに出久の胸の中には爆豪の『クソデクはクソデクだ! 男だろうが女だろうがてめぇはてめぇだろうが!!』という言葉がしっかりと刻まれていたために悲しくはなかった。
爆豪を見れば「フンッ……」とそっぽを向かれたけど、それだけでもいつも通りのままで出久はそれだけで我慢できると思った。
「……と、学校生活ではこんな感じですかね」
「悲しいなぁ……やはり無個性というレッテルがある限りいじめも絶えないという事か。世も末だな……」
出久は海浜公園で廃棄物のごみを運びながらオールマイトにそういう話をしていた。
日常の会話をしながらもゴミ掃除を頑張る出久は果たして結構鍛えられていたりする。
それは思い起こすに修行を開始して一か月ぐらいが経過したころに出久は心の中で思った。
「(こんなんじゃだめだ! もっと、もっと力を付けないと!)」
出久は踏ん張るように何度も倒れながらも立ち上がってはごみを運んでいた。
「元少年! こんなペースだとすぐに十カ月なんて過ぎちまうぜ!?」
「は、い!!」
オールマイトの鼓舞の言葉でやる気を再度出し始める出久。
だけど体は悲鳴を上げていて碌に物も運べない。
雌猫の個性は脚力強化以外では現状では壊すことに特化している為に体力作りには向いていない。
だからどうしても腕の力が足りなくて力尽きてしまうのだ。
そして出久は思った。
「(脚力だけじゃなくて全身の強化も出来たらいいのに……ッ!)」
と。
そんな事を思った矢先だった。
『それじゃイズクがこれから必要になるような個性をあげるね』
「えっ……?」
咄嗟に出久は後ろを振り向いた。
だがそこにはオールマイトの姿しかなかった。
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