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赤き巨星のタイタノア
第9話 結集する戦士達
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ハァ、ハァッ……しっかりしろタイタノア! 立ち上がるんだ、そのままじゃ殺されちまうぞ!」
『そ、そんなことを言われても……足が竦んで動けんのだぁあ!』
「ああもう! じゃあオレが引き付けるからその隙に――うっ!」

 すると。大怪獣の火炎放射をかわしながら、2機のコスモビートルがこちらに滑り込んできた。木に当たるギリギリで高度を上げ、弧を描くように地球製の戦闘機が舞い上がって行く。
 ――その一瞬の中で。パイロット達は、地上にいた威流の姿を、己の目に焼き付けていた。

「おい……見たか、今の!」
「えぇ! 間違いない……威流よ!」
「――おぉっしゃあ! 賭けた甲斐があったぜ!」
「だけど……喜んでる場合でもなさそう……!」

 だが、再会の喜びも束の間。彼らは未だ、最大の危機の只中にいるのだ。
 あの大怪獣を倒さない限り――威流の生還は難しい。そう考える2人の眼が、鋭さを増して行く。

「異星人の戦闘機部隊に、大怪獣。おまけに巨大ロボットと来たもんだ。……上にどう報告したもんかねぇ、コイツは」
「そうね。わからないことばかりではあるけど……確かなことが、一つだけあるわ」
「あぁ。……あの大怪獣だけは、間違いなく敵ってことだな!」

 地球の常識から逸脱した、不確定要素。それらに埋め尽くされた、この状況の中で――円華と竜也は、毅然とした面持ちで操縦桿を握りしめた。
 どんな星だろうと、どんな相手だろうと。地球守備軍の自分達がやるべきことは、変わらない。

「借りを返してやるぜぇっ!」
「貴様を倒して、威流を助け出すッ!」

 その一心の元、2人は己の愛機を操り、大怪獣に挑みかかって行く。彼らの勇姿を視認した空戦艇部隊からは、驚嘆の声が上がっていた。

『……!? あ、あれは救世主様と同じ機体!?』
『し、神官長! 地球の空戦艇が2機、大怪獣に攻撃を仕掛けておられますッ!』
『なんだとッ!? 是非ともお招きしてサインを――って違う! そちらの方々のフォローに向かえ! 直ちに!』
『了解っ!』

 それから間も無く空戦艇部隊は、威流に並ぶ「救世主」である彼らをサポートすべく、その後ろについた。
 そんな彼らの挙動からその意図を察して、竜也は口元を吊り上げる。

「見ろよ、どうやら異星人さん達は味方になってくれるみたいだぜ?」
「現地民が協力してくれるなら、頼もしいわ。……さぁ、行くわよッ!」

 ――そして、今。
 地球と、この星の戦士達が――反撃に乗り出した。

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