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GS美神他、小ネタ集
ボツネタ「ああっ、おキヌちゃん様」より
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なった理由なのは否定しません」
「ええ、ええ、どうせ私達は魔族同然ですよ」
(俺は魔族より性質が悪いと思うぞ…)
「何か言った?」
「いえ、別に…」
「何よりも、おキヌさんが街角で見かけた幽霊を説得し、笛で成仏させて来た行いは特筆に値します。 今もこの事務所の周りが、成仏できない霊達の駆け込み寺となっているのは、ご存知のはずです」
「すいません… みんな私と同じように見えて、どうしても放って置けなかったんです… 幽霊でお金が払えない人や、動物達でしたから、美神さんの仕事の邪魔はして無かったですよね?」
「ええ…」
 もちろん、そんな浮遊霊や動物霊が成長して怨念を溜め込むと、GSの出動となって利益に繋がるが、おキヌはそれを小さな芽のうちに摘み取っていた。
「他にも、幽霊達の世話役であった事や、周囲からの推薦。 荒神であった石神を折伏し、地域を安定させた功績も忘れてはいけません。 おキヌさんは自分には才能は無いと仰いましたが、すでに三百年間、山の神であった所からも、十分な資格があります」
「資格よりも、おキヌちゃんの気持ちはどうなのっ?」
「えっ? あの、その…」
「こんな気の弱い子に、また重荷を背負わせるつもり? 私は反対だわ」
 頬杖をついて目を逸らし、目の前の現実からも逃避する令子。 一旦仲間や家族になった者に対しては、非常に弱い一面があった。
「何も私のような戦士になれとは言っていません、ヒャクメのように調査能力を生かした神族もいます。 おキヌさんの場合、どこかの地脈の上に神社を建立して、そこで心穏やかに笛を吹いて下されば、それだけで多くの霊が慰められ、付近が霊的に安定するのは間違いありません」
 一人づつ対面して成仏させるのではなく、地脈に連なる道々で、哀れな霊達が救われると言うのも、おキヌにとって魅力的な話だったが、美神事務所には迷惑な話であった。
「先程のメーターですが、おキヌさんの場合、既に地霊や仙人の霊格を振り切っています。 これ程の方を在野に放置してはおけません。 悪鬼に魅入られて堕落させられたり、利用されれば大変なことになります」
 これもおキヌを決心させた要因で、自分が美神に迷惑をかけたり、倒せない相手として立ち塞がるなど、耐えられない事だった。
「すでに東京都とも話し合って、神社を建立する許可も取りました。 後は皆さんの了解を得て、おキヌさんが御神体として納まって下されば良いだけとなっています」
「随分手回しがいいのね、何を企んでるの? そう… 妙神山が壊されたから、都心にアクセスポイントを作るつもりでしょ? それって米軍と一緒で、喉元にナイフを突き付けられるのと同じよ」
「神族にそのような悪意はありません、江戸に都が移ってから、何度も計画がありましたが、魔族との合意が得られず流れて来ました。 こ
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