暁 〜小説投稿サイト〜
和-Ai-の碁 チート人工知能がネット碁で無双する
第一部 佐為編(桐嶋和ENDルート)
第15話 検討会 (vs ichiryu)
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H11年某日

 棋院の和室で行われる若手棋士を集めた研究会での一幕。

「黒番が一柳先生、白番が正体不明のネット棋士Aiです」

「白の左上の小目へのケイマカカリに対して黒は左下の白の星に両ガカリか……」

「え? 白は左下を手抜いて左上にカケ?」

「常識的に星の両ガカリの方が大きいんじゃあ……」

「左辺の低位を避けて自然なオシに気持ちの良いトビ。流石は一柳先生!」

「白はちょっと大胆過ぎるでしょ?」

「この黒の手は一旦下辺を捨てたフリで味を狙ってますね」

「一柳先生は冷静だな」

「ここで三々入りか。これは真に神の一手(笑)ですね」

「いやいや、なんぼなんでも、この白の逃げ出しは無いでしょう。棋理に反してますよね(笑)」

「下辺の白はガチガチだし、アテられてる2子は要石じゃないし。
 こんな石逃げ出すヤツに、負ける気がしませんね」

「この辺は特に目立った手もなく進行が続きますね。黒が良いのかな?」

「え?ここで白は上辺? 右上隅じゃなくて?」

「上辺は黒の壁に近過ぎて、むしろ黒に打たせたいところでしょう。
 上辺は守ったって白地なんかほとんど出来ませんよね?」

「確かに。そうなると右上隅は大丈夫ですかね」

「さっきから白は不可解な手が多いな」

 ここからストレートな押し合いが始まる。

「この白は手筋の切り込みか」

「さっきから白はグングン押す手が好きだな」

「こうなると流石に一柳先生も反発しますよね」

「ここで白は余裕を持って受けてるけど、黒が優位ですよね?」

「そうですね。右上は無事だったみたいだけど、右辺は巨大な黒地になってますし」

「ほら。いわんこっちゃない」

「でも白も言うほど悪くはないんですよね」

「と思ってたら、なんですか? このノビは! ここはカス石でしょう」

「でも下辺の黒がにわかに薄い……」

「え? これ黒が困ってる??」

「ここで投了!?」

「まさか黒が突然ツブレてる」

「まだ黒がここに打てば……」

「いや白がここでどうにもならない」

「戻しましょう!!」

「この黒のハネノビは辛抱してますね」

「ここで白が優位だったのか」

「ネットの早碁でこんな冷静に形勢判断できます?」

「というか最初の逃げ出したカス石が、超重要な石になるとか」

「さっき棋理に反してますとか言ってませんでした?」

「だって逃げ出した時に、ここまで読めますか?」

「まさかね。偶然でしょ?」

「一柳先生を相手にネット碁で104手で中押勝ちを収めるとか」

「絶対プロでしょ!?」

「でもプロにしては……“何ですかこの手は?”っ
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