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和-Ai-の碁 チート人工知能がネット碁で無双する
第一部 佐為編(桐嶋和ENDルート)
第14話 年が明けて
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る可能性が高い。また何か分かれば連絡する」
(どうしよう……思った以上に大袈裟な話になってる。)
僕と緒方先生の話が落ち着いたところで棋譜を眺めていた桑原本因坊が口を挟む。
「囲碁界に新しい波を起こす1人と聞いたが……」
「どうしました?」
「ふむ。これはヒトが打った碁かのう?」
その一言に衝撃が走り背筋から冷や汗が流れる。僕は動揺を抑えようと寿司を口に運び、落ち着いてお茶を飲もうとする。
「どういう意味です?」
お寿司に合わせたソーヴィニヨン・ブラン(白ワイン)を飲みながら緒方先生が怪訝な表情で問いかける。僕も遠慮せず純米酒に手を付けようかと気をそらす。
「ワシのシックスセンスじゃ」
「シックスセンス?」
「第六感じゃよ。棋譜を見れば見るほどAiの碁はこの世のものとは思えん」
「バカバカしい! じゃあ何だっていうんです?」
「神か、悪魔か、果ては異世界からやってきた囲碁星人か……」
その後はトッププロ達が評するAiのネット碁の特徴について聞きながら高級な寿司と純米酒を頂いたが味の記憶は殆どない。
帰り際に御馳走になったお礼を桑原本因坊に告げる際、ほろ酔いの勢いで思い切った質問をする。
「桑原先生、僕が探してる桐嶋和は……彼女は……いますか?」
この世界に存在するのか?と言外に問いかけた。
「……ふむ。ワシのシックスセンスでいいんじゃな?」
「はい。お願いします。」
「そうじゃな…………」
一瞬の静寂に唾を飲む。
「わからん」
「は?」
「わからん。が、オヌシが諦めなければ……また何処かで会える」
「え?」
「ほほほ。天国か。地獄が。この世とは限らんがの」
そう言い残して桑原本因坊は闇の中に消えていった。
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