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新訳紅桜篇
3 油断大敵
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  高杉が去ったのを確認すると、私はしばらく時間を空けてから、
  武器庫から飛び出し、一旦鍵をかけずに武器庫を離れた。


  食堂近くのトイレに行き、いつも携帯している鬼兵隊員の服と、カツラに着替える。

  そして「男」としてトイレを出た後、しばらくして「急におなかが痛くなった人」を演じる。

  そして、武器庫の近くの男子トイレの個室に入り、男性清掃員の制服を先ほどの服の下に
  仕込み、もう1度、鬼兵隊の服を着る。
  そしてその上に、女性の清掃員の服を着る。

  男子トイレから失敬した清掃道具と、荷物を持って、3分の2手前の女子トイレに入る。
  荷物をトイレに置き、ドアに「清掃中。立ち入り禁止」のシールを張る。

  中で清掃員の服を脱ぎ、鬼兵隊の格好をする。


  そしてそのトイレを裏から出て武器庫に侵入し、
  いくつか武器を頂戴する。



  頂戴した武器の中からいくつかダミーを選び、鬼兵隊の船の中にいくつか、
  それらを散らばせておくためだ。




  そして、その後は武器庫の近くのトイレに隠れて、元の服に着替える。
  しばらく時間を空けて、「鍵をかけ忘れた風」と装って、また戻ってくる。

  ここまでを、10〜20分ほどで、仕上げる。
  時間的には、そのくらいが限界だろう…。



  そうすれば、万が一 武器庫の武器が多少消えていても、私が「鍵をかけていない」時間を狙って、
  何者かが、侵入した、という言い訳ができるからだ。

  一見、せこい技のように見えるが、これも立派な「殺し」の技の1つ。

  そして、武器がなくなったとバレたときは、私が「不審な人物を見て、怪しいと思い、
  追いかけたものの、途中で巻かれた」と言えば、大体の人間は騙せる。
 

  …だが、高杉(あいつ)には、見破られる可能性が高い。
  いたるところに、監視カメラがついているからだ。
  大体の場所は把握しているが、
  最大限に気をつけねば。


  油断は禁物だ…。




  計画通り、その後は食堂の近くのトイレに向かう。

  だが1つ、私は重大なことを、計算に入れていなかった。
  …私は「女」であること。

  私は女子トイレに入るべきなのか、男子トイレに入るべきなのか…



  迷った私は、とりあえず、男子トイレに向かう途中、髪を上の方で結んだ。
  そして何事もなく個室に入り、まず髪を団子にし、カツラを付ける。

  そして私は、帯の飾り結びのところから、
  どこかの魔法学生からもらった、不思議なバッグを引っ張り出した。

  これには、それだけのものを入れても、決して限界が来
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