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エターナルユースの妖精王
魔導士の弱点
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。いくつめかの角を曲がって、息が切れないのをいい事に、滑るように駆けていく。
この体はいい。疲れる事も、呼吸が苦しくなる事もない。仮に彼の盾になって負傷してもすぐに回復するし、あの時のように手足がなくなったとしてもすぐに失った分を取り戻せる。またすぐに、彼の為に戦える。
あの時のように、目の前で敵を奥に進ませてしまったあの時のように、そのせいで彼を傷つけたあの時のように。その過ちを繰り返さないように、今度こそ彼の役に立つ為に、遅れる訳にはいかないのだ。


魔力を辿る。うっすらと見える細い糸を追って、階段を全段飛んで省略して、下へ下へ降りていく。



「ア……アンタなんてサイテ―よ…文学の敵だわ……!!」



その声、苦しそうに吐き出された声色。
それが耳に入った瞬間、パーシヴァルの名を冠する青年は笑っていた。
心底安心したように。ああよかったと、噛みしめるように。嬉しそうに、嬉しそうに、口元を緩めて。


―――ああ、そうだ。
この瞬間を待っていた。この時を望んでいた。

こうして彼の役に立つ、今この時を。



《大丈夫だよ、アーサー》

今は別行動を取る、敬愛なる長へと呟く。



《俺、失敗しないように上手くやるからさ。―――今度こそ》
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