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決して折れない絆の悪魔
戦いの後
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葉なのにそれが嘘のように感じられない……実際に一夏はミカが振るった斧を更に強く振り下ろしてまだ無人機と反応していない時点で右腕を両断している。本当に必要であれば躊躇なく殺すだろう、彼の言葉に嘘などない。

「俺達は必要なら罰は受ける。だけどな、アンタが鈴の命を軽く見たのは許せねえ」
「わ、私はそんなことは……」
「絶対防御で防げるって思ってた時点でそうだっつってんだよ。規則だなんだのって文句垂れる前にな、どんだけてめぇらが情けないか実感しやがれ!!何の為の教師だ、俺たちが対処した方が早かったじゃねえか!!けっやってられねえ、行くぞミカ」
「ああ」

千冬へと言いたい事を言い切ると一夏はそのままミカを連れて去っていく、残された千冬は消沈したまま動けなかった。命を軽く見ている、自分が……?大切な生徒の命を……?と小さく呟きながらただ部屋の中で魂が抜けたように立ち尽くし続けた。確かに二人が行った行為は危険だ、命を捨てるかのようなものだったかもしれない。しかしその行為のおかげで鈴は助けられた、それにあのままグレイズを放置すれば暴れまわり学園の生徒に大きな被害が出たかもしれない。それを倒した二人は褒められるべきなのかもしれない……。

「私は……私は……」


「腹減った」
「そうだな……結構動いたもんな、食堂行くか」
「あっ一夏、ミカっ!」

食堂へと足を進めているとそこへ自分たちを探していたのか鈴が肩で息をしながら駆け寄ってきた。身体を見る限る怪我はなさそうだ、それに安心しつつ鈴を見る。

「その、えっと……」

顔を赤くさせながら俯き、指を押し付けあっている鈴。何か言いたいか言えないよう、がミカは容赦なく言いたい事あるなら早くっと急かす。鈴はぅぅぅ……呻きつつ覚悟を決めたか赤面した顔を上げつつできる限りの笑顔を作って言った。

「一夏、ミカ、助けてくれて、ありがとうね!あの時、二人が斧を止めてくれなかったら私、たぶん死んでたわ……あいつ、自力でアリーナのシールドを破ってきたんだから……絶対防御だって、完全じゃないもの。だから本当に感謝してるの、ありがとう!」

眩しいほどの笑顔を向けてくる鈴に一夏は身体がむず痒くなってきた、ミカも少々照れくさそうにしている。そして同時に一夏は千冬への失望を深めた、当事者の鈴は絶対防御が完璧でないこととグレイズの危険性を理解していた。それなのに教員である彼女があれなのは如何なのかと。そんなことを思っているとミカは先に食堂へと歩き出した。

「先、行くから」
「ああっミカ!?」
「ああおい!ったくあいつは……」

ため息を付きつつ鈴の肩に手を置いた一夏は笑った。

「一緒に、飯食おうぜ」
「ええ、そうしましょう!」
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