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夢幻水滸伝
第三話 都へその一

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                  第三話  都へ
 三人で神社の正門に出た、すると。
 そこにだ、中里は彼が本や漫画、そしてアニメでよく見てきた二種類のモンスターを見た。その彼等はというと。
 二百メートルはあろうかという巨大な蛇だった、頭は龍のものでそれが八つある。そして後ろの尻尾は八本だ。
 もう一匹は馬の様な大きさで金色の毛の九尾の狐だった。中里は彼等を見てすぐに言った。
「八岐大蛇に九尾の狐か」
「そや」
 その通りだとだ、横にいる中里が答えた。
「やっぱりわかるな」
「わかるも何もどっちもな」
「有名やさいな」
「有名過ぎるわ」
 それこそというのだ。
「どっちもな」
「そやから知ってるな」
「ああ、しかし自分天狗やろ」
 中里は芥川のこの世界での種族について話した。
「この狐空飛ぶって言うてたけど」
「それやったら乗る必要ないっちゅうねんな」
「そう思ったけどな」
「自分で飛ぶと疲れるねん」
 あっさりとだ、芥川は中里に答えた。
「それに自分で飛ぶよりな」
「狐にh乗った方が速いねんな」
「ずっとな、馬に乗るのと一緒や」
「そやねん」
 実際にというのだ。
「これがな」
「そういえばそやな」
「誰でもそや、それで僕もや」
「空を飛べてもか」
「狐ちゃんに乗ってるねん」
「そやで」
 狐の方も言ってきた。
「うちがご主人いつも乗せて動いてるねんで」
「ああ、自分喋ることが出来るんか」
「そこで驚かへんねんな」
「そういう世界やってわかってきたからな」
 だからだとだ、中里は狐にもはっきりと述べた。
「そやからな」
「特にかいな」
「狐や狸が喋って驚かへんわ」
「そうか」
「そや、多分そっちの大蛇もやろ」
「その通りや」
 大蛇の方も答えてきた、しかも八つの頭で同時だった。
「わしも喋られるで」
「あとこの口からそれぞれ何でも吐ける」
「炎も毒の息も酸も雷も冷気もや」
「相手が石になる息も吐けるで」
「何しろ龍の中でも最強のうちの一匹やしな」
「それだけあって強いで」
 こう言う、そしてよく見てば巨大な胴体に小さな四本の足があった。それを見れば大蛇であることがわかる。足がなければ蛇になるからだ。
「ご主人の戦力や」
「うちのご主人自分では戦うの苦手やけどな」
「わしがおるから強いで」
「何しろわしは最強の龍のうちの一匹や」
「それだけあって強いで」
「敵の一万二万何でもないわ」
「そやろな、神話でも酒飲まさな勝てんかったやろしな」
 如何に素戔嗚尊といえどだ、だからこそ酒を用意させたのであろう。
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