第9話(白兎side):解放編
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【視点:ベル】
神様とテレシアさんがどこかに出かけて早3日。現在、僕はオラリオで有名なイベントである怪物祭が開催されているオラリオ東区画に来ている。
昨日までは朝から夕方までアトゥイさんに付き合って貰って迷宮に潜ってたんだけど、今日はアトゥイさんのお誘いで冒険者業を休み、怪物祭を見て回ることになった。
といっても誘ってくれた当のアトゥイさんは少し前から別行動をしてるんだけどね。まさか、アトゥイさんが立ち飲み屋台から動かなくなるとは思いもしなかった。
もしかしたら、僕が知らないだけでアトゥイさんはお酒が大好きな人なのかもしれない。……それにしてもアトゥイさんが動かなくなった屋台以外にも色んな屋台があるなぁ〜。
都会のお祭りだけのことはあって、見たことも聞いたこともない屋台がいっぱいだ。所持金にも余裕があるから、僕もどこかの屋台に寄ってみようかと考えていると――
「あっ!そこにいるのはベル君?ベル君じゃないか!!」
背後の人混みから聞き覚えのある声が聞こえてきた。この声は―――
「神様?」
「ベル君、やっぱりベル君だ!ボクの声だと一発で分かるなんて、愛のなせる業だNE!!」
神様はそんなことを言いながら人混みを掻き分け、僕のいる所まで突っ込んできた。正直、最後の「ね」の部分にウザさを感じて少しだけイラっとしたけど、神様が抱き着いてきた際に僕の胸板に押し付けられた圧倒的な質量によって、イラつきは一瞬にして霧散した。
「か、神様!こんな大勢の人がいる前で抱き着くのはどうかと思うんですが……」
「何だい?照れてるのかい?ベル君は初心だねぇ。……っと、余りからかい過ぎると嫌われてしまうね」
神様はそう言うと、漸く僕から離れてくれた。まぁ、胸を押し付けられたくらいで慌てるのは僕も初心だと思うけど、はっきり言われると正直傷付く。
「……で、神様はテレシアさんと3日も何処に行ってたんですか?心配してたんですよ」
「ボク達のことを心配してくれたのかい?やっぱり、ベル君はいい子だね!」
「知神の開催する宴に参加するって書置きだけ残して3日も音信不通になれば普通は心配しますよ」
「……アトゥイ君も心配してたかい?」
「……………」
「ベル君、君の沈黙が全てを物語っているよ。……まぁ、それはさて置き!ボクとテレシア君は知神の宴に参加した後、とある友神に用事があって、その友神の派閥の本拠地に居たんだ」
「他の派閥の本拠地にですか?」
「そうさ!ベル君に渡すこれを完成させる為にね!」
そう言って神様が差し出してきたのは布に包
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