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決して折れない絆の悪魔
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、何言ってんだよ一夏兄!?俺だよ百春だよ!?」
「いや名前は知ってるよ、ニュースで見たし。でも俺は織斑君と面識無いけど?」
「そん、な訳が…!!」
「人違いとかじゃないの、偶然名前一緒なだけとか」
「そんな俺が間違う訳がっ!?」

ミカの言葉を強く否定しようとした時、百春の頭部に今一度出席簿が振るわれた。先程よりも強い一撃に百春は床へと叩き付けられるように沈み痛みにもがくように声を上げている、

「そこまでにしておけ織斑……すまない未来、私の弟が申し訳無い事をした」
「いえ気にしていませんよ、それよりも強く叩きすぎなんじゃ……」
「反省の色が見えないようだったからな」
「千冬、姉ェ……どうして……!?」

疑念の色を浮かべる百春に千冬はしゃがみ言い聞かせるように言った。

「そこまでにしろ、好い加減HRを進ませろ。解ったら席に戻れ」
「……ぐっ……」

ここまで言われては流石にもう何も言えずに身体を引きずるように席へと戻っていく、そんな姿を見つめる二人の視線はそれぞれであった。一体何故自分にあんな事を言うのかと解らなそうにしている一夏となんだあいつと思っているミカ、百春が席に戻ると真耶が二人の名前を黒板へと書き、挨拶をするように促す。

「未来 一夏です、色々と皆さんにご迷惑を掛ける事があると思いますけど宜しくお願いします。趣味は……えっと、料理を作る事と裁縫です」
「未来 三日月。好きな事は……院長の手伝い」

好青年で接し易そうな一夏と物静かな三日月、全くタイプの違うの二人の男子に女子達は盛り上がっていた、但し千冬がいるので内心で大はしゃぎしていた。

「えっとお二人は苗字は一緒ですがご兄弟ではありません、お二人は未来院という孤児院の出身でそこでは全員が家族同然になるという事で創設者である未来 久世さんと同じ苗字をお使いになるそうです」
「ええ、だから俺はミカの事を弟じゃなくて家族って思ってます。実際弟だって思った事はないです」
「俺も一夏の事兄貴って思えた事無い」
「おまっ……」

その言葉で教室に生まれる笑い声と笑顔、だがその中で唯一百春だけが異常な表情で一夏を睨み付けていた。
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